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トリプル熱帯擾乱の現状と予想は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
トリプル熱帯擾乱の雲(ウェザーマップ)

トリプル熱帯擾乱の現状と予想は?

トリプル熱帯擾乱の現状と予想(ウェザーマップ)
トリプル熱帯擾乱の現状と予想(ウェザーマップ)

台風や熱帯低気圧情報(気象庁発表)

まずトリプル熱帯擾乱の1つ目。

おととい8月9日(日)午前3時に沖縄の南で発生し、九州の西を北上した台風5号は、先ほど午前9時に日本海北部で冷たい空気を巻き込んで性質が変わり温帯低気圧となりました。温帯低気圧に変わったとは言え油断はならず、今後は早い速度で北海道の北部へ近付く見込みです。

続いてトリプル熱帯擾乱2つ目。

きのう10日(月)正午に発生した台風6号は、先ほど午前9時頃、中国大陸(華南)へ上陸しました。今夜までには熱帯低気圧へ衰える見込みで、日本付近への影響はほとんどなさそうです。

そしてトリプル熱帯擾乱3つ目。

小笠原付近にある熱帯低気圧の動向が最も悩ましい状態です。

きのう午前9時、気象庁から今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が発表されましたが、24時間経ったきょう午前9時の時点でもまだ熱帯低気圧のままで、引き続き、今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が継続されています。

大雨、強風、大猛暑に、次の台風は沖縄方面へ西進?

天気図の推移(気象庁発表資料に筆者加工あり)
天気図の推移(気象庁発表資料に筆者加工あり)

予想天気図をみると、台風5号から変わった前線を伴う温帯低気圧は今夜北海道の北部付近を通過し、あす12日(水)には北海道のはるか東へ遠ざかる見込みです。

北海道はこれから今夜にかけて、北部を中心に雨や風が強まり荒天となりそうですから、大雨や強風、高波などに注意・警戒が必要です

また台風5号の持ち込んだ熱帯の空気や太平洋高気圧の影響により一段と厳しい暑さとなっており、特に晴れて山越えのフェーン現象も加わる北陸や関東甲信、東北などで、極めて高温となりそうです。

すでにきょう午前11時までの最高気温は、八王子37.2℃、西野牧(群馬)37.1℃など、すでに体温を上回る気温が出始めています。午後にかけて局地的な気象条件によっては39℃以上となる所があるかもしれません。

全国の広い範囲に高温注意情報、また関東甲信地方には熱中症警戒アラートが出されていますので、日中における不要不急の外出などはなるべく避けた方が良さそうです。

そして悩ましいのが次に発生が予想されている台風。発生すれば台風7号ということになり、今月早くも5個目の台風発生ということになります。

今の気象庁の予想では日本の南を西進しながら発達し、予想天気図上では今夜午後9時には台風となる見込みで、その後もあす12日(水)にかけて、日本の南をゆっくりと西寄りに進むでしょう。

種々の計算では、この発生が予想されている台風はあまり発達することなく、むしろ衰弱しながらも西進し、13日(木)~14日(金)頃に沖縄近海に達する予想です。引き続き、発生するのか、しないのかなど悩ましい状態が続きますが、今後も最新の予想にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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