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新潟から秋田にかけて記録的大雨のおそれ、線状降水帯の発生に厳重警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

非常に危険な天気図に

日本の南にある太平洋高気圧の勢力が徐々に拡大しているため、梅雨前線は日本海へと押し上げられ、南から暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、活動の活発な状態が続いています。

きょうも広い範囲で激しい雨が降っていますが、あす28日(火)は一段と危険度が高くなる地域があり、それが北陸や東北となります。

タイトル画像にある通り、28日(火)も梅雨前線は日本海から東北南部付近を横切るように停滞する見込みで、北から張り出すオホーツク海高気圧と南から張り出す太平洋高気圧に挟まれるような形となり、前線付近で暖気と冷気(涼気)が激しくぶつかり合う、非常に危険度の高い天気図の形が予想されています。

このような場合、東西に横たわるような線状の降水帯が発生してもおかしくない状態となり、過去にはこの形で、東北や北陸で幾度となく記録的な大雨がもたらされ、大きな水害が発生しました。

今回は新潟から秋田にかけて、特に危険度が上昇するおそれがあります。

今夜遅く~あす28日(火)明け方の予想

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

今夜遅く~あす28日(火)明け方にかけては、秋田から山形の県境付近で局地的に東西に連なるような線状の降水帯が発生する計算で、範囲は狭いものの、同じような場所で、激しい雨が数時間降り続くおそれがあります。

この局地的な雨雲は前線のわずかな上下動で、南北へ発生位置が変わる可能性があり、注意を要します。

28日(火)朝~夜の予想

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

そして雨がピークとなるのは、あすの日中から夜にかけてとみられます。

活発な雨雲が日本海から山形や新潟を指向するように次々と流れ込み、断続的に激しい雨や非常に激しい雨が降る見込みです。

雨雲の予想では黄色や一部にオレンジ色が見られる程度ですが、線状に連なるような雨雲が発生した場合、この予想をはるかに上回るような猛烈な雨の降り方をしてもおかしくはなく、今回はそのような危険度が非常に高くなるようなポテンシャルが十分にある気象条件と言えます。

新潟、山形、秋田で記録的な大雨のおそれ

24時間予想降水量(ウェザーマップ)
24時間予想降水量(ウェザーマップ)

今夜21時~あす28日(火)21時までのコンピュータによる24時間の予想降水量は上図のようになっており、山形や新潟を中心に降水量が多く、紫色の所は200ミリ以上と計算されています。

24時間の予想となっていますが、線状降水帯の発生など、雨雲が強化されれば、数時間で上図に匹敵するような記録的な大雨となるおそれもあります。

気象庁からは全般情報に加えて、北陸東北に地方情報が出されており、特に新潟山形秋田を中心に、多大な予想雨量となっています。

とにかく、今回は過去の大きな災害時に酷似した天気図となるため、気象庁の危険度分布で常に最新の情報をチェックするなど、少しでも危険を感じたら早めの避難を心がけるようにして下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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