7月から始まる熱中症警戒アラートを知っておこう

猛暑の東京都心(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

高温注意情報から熱中症警戒アラートへ

熱中症警戒アラート(気象庁HPより抜粋)
熱中症警戒アラート(気象庁HPより抜粋)

これから盛夏期にかけて一段と気温が上昇し、猛烈な暑さの日も多くなってくると思いますが、そんな中、来週7月1日(水)より、関東甲信地方において、環境省と気象庁による新たな情報発信「熱中症警戒アラート」の発表が始まります。

来週はかなり暑い日が多くなるため、もしアラートの基準に達すれば、テレビなどで一斉に報じられることと思いますが、この熱中症警戒アラートとはどんなもので、どんな時に出されるものなのか、説明していきたいと思います。

まず現在、気象庁から発表される暑さの情報としては高温注意情報があり、これは気温が35℃以上の猛暑日(北日本や南西諸島は33℃や31℃の所も)が予想される時に出されるものですが、近年、盛夏期にはほぼ毎日のように35℃以上となる所も多く、警戒をうながす情報としての意味合いが少し薄れてきているために、この高温注意情報に代わるものとして考え出されたものが熱中症警戒アラートです。

熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)によって発表されますが、これは気温だけではなく、湿度や風、日差しなどを考慮し、より体感に近い暑さ(体感温度)を表す指標として、環境省などで以前から使われているものです。

熱中症を引き起こす危険な要素としては、気温はもちろん、湿度の高さが大きなウェイトを占めており、この暑さ指数で使われるデータの割合は、気温1:湿度7:輻射熱2、ということになっています。

暑さ指数33℃以上で熱中症警戒アラート

暑さ指数:WBGT(環境省HPより抜粋)
暑さ指数:WBGT(環境省HPより抜粋)

このようにして導き出された暑さ指数は31℃以上で、運動や日常生活において、すでに危険レベルとなりますが、熱中症警戒アラートはさらに数値を上げ、危険度が極めて高い33℃以上の時に絞り込んで発表されるため、熱中症予防対策の情報としては非常に有意義なものと考えられます。いわば大雨で言う特別警報のようなイメージとなりますが、特別警報よりは発表頻度はかなり多くなると思われます。

少々紛らわしいのが、これまで見てきた通り、暑さ指数も気温と同じ(℃)によって表されるため、暑さ指数と気温を混同しないようにすることも重要です。

熱中症警戒アラートは、今年度、関東甲信地方の1都8県に対して先行的に実施されますが、今秋以降に今夏の検証を行い、その結果を踏まえ来年度からは全国で、高温注意情報に代わる新たな情報発信として本格運用される予定です。

きょうは暑さ指数33℃以上が2地点

環境省熱中症予防情報サイトより、筆者加筆あり
環境省熱中症予防情報サイトより、筆者加筆あり

参考までにきょうの暑さ指数はどんな感じでしょうか。

きょうは関東以西の太平洋側で30℃以上の所が多く、南からの暖湿流の影響で、湿度も高く、非常に蒸し暑くなっています。

環境省による熱中症予防サイトの情報では、きょう午後1時の段階で、関東以西では暑さ指数が28℃以上31℃未満の赤色、厳重警戒の所が広がっており、31℃以上の危険ランク、紫色の所も、東海地方を中心に少し見られます。

ところが熱中症警戒アラートの発表基準になる33℃以上の所は、高知県佐賀と愛知県岡崎の2地点のみで、やはりこの基準は非常に出づらいのが分かるかと思います。

午後1時の気温は、高知県佐賀31.9℃、愛知県岡崎33.3℃で、特に猛暑日とはなってはいないため、周辺から推定される湿度の高さが暑さ指数を押し上げているのだと思われます。

ちなみに午後1時の東京都心は、気温29.7℃、湿度68%などで、暑さ指数30.4℃と算出され、厳重警戒のランクとなっています。

このように気温が35℃以上の猛暑日でなくても、湿度が高ければ暑さ指数が33℃以上になることもある一方、気温が40℃近くても湿度がぐっと下がれば、33℃に届かないこともあるため、この特徴を知っておくことも重要かもしれません。

参考:環境省、気象庁