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難解な関東の金曜日から土曜日の雨や雪予報

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
金曜日の予想天気図(ウェザーマップ)

下層寒気は雪やみぞれを予想

けさにかけて関東甲信の標高が高い所では雪となり、河口湖で2センチ、軽井沢で4センチ、奥日光で5センチなどの積雪を観測しました。

一方、東京都心など平野部では気温が5℃前後で推移したため、冷たい雨という所が多かったようです。

そして今週2度目の雨や雪の予報が金曜日から土曜日にかけて出されています。

その降水をもたらす予想となっているのが、タイトル画像にもある通り、日本の南海上を東進する低気圧です。金曜日夜の上空1500メートル付近の気温は、けさよりも3℃位低く、-3℃程度が予想されており、これはもし降水があれば関東平野部でも雪やみぞれになる可能性が比較的高い寒気と言えます。

ところが、上空の寒気は強い一方で、低気圧に伴う降水域がどれくらいかかるのか?計算によってとてもばらけている状態です。

積雪ありパターンと降水なしパターンが共存中

低気圧や降水域などの予想(ウェザーマップ)
低気圧や降水域などの予想(ウェザーマップ)

上図は様々ある計算の中で、降るパターンの代表的なもの(Aパターン)と、降らないパターンの代表的なもの(Bパターン)を示したものです。

Aパターンをみると、低気圧は発達しながら伊豆諸島付近を北東へ進み、関東南部に比較的、まとまった降水域がかかっています。

東京都心の降水量は10ミリ~20ミリ程度が計算されており、しかも雪が主体で降るような予想で、ある程度の積雪も視野に入るようなパターンです。

一方、Bパターンになると、低気圧はほぼまっすぐ東進し、降水域は関東南部にもほとんどかからない予想です。こうなると、上空の気温場が低くても、降るものがなければ、もちろん積雪などは発生しません。

最新の計算によれば、関東南部に降水域がかかる可能性は五分五分程度ですが、もしかかれば、みぞれや雪になる可能性が比較的高く計算されており、そのうち少数派ではありますが、上図のような積雪をもたらすようなパターンも予測されています。

気象庁の予想とウェザーマップの予想は?

気象庁の予報
気象庁の予報
ウェザーマップの予報
ウェザーマップの予報

気象庁とウェザーマップによる最新の予報をみてみましょう。

まず気象庁は降水があるものの雨が主体、とはいえ土曜日の東京都心の最低気温は3℃の予想なので、雪予報に変わる可能性も考えられる状態です。

一方、ウェザーマップは降水自体があまりない予想となっていますが、土曜日の最低気温は2℃の予想です。

2日後から3日後に迫った予報ですが、上記のようにまだまだふらついている状態です。

センター試験もあり、降るか降らないか、そして雪になるかならないかで雲泥の差があると思われますが、時間を追うごとに計算は徐々にそろってくると思われます。

今後も最新の予報をチェックして頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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