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大きな台風28号が発生。西進しながら急発達へ。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風28号の雲の様子(26日15時ウェザーマップ)

西進しながら急発達

台風28号の予報円(ウェザーマップ)
台風28号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

グアム島近海に発生した熱帯低気圧が発達し、きょう午前9時に台風28号となりました。

これで今月発生した台風は6個目(3日23号、5日24号、12日25号、13日26号、20日27号、26日28号)となり、1991年と1964年に記録した11月の台風最多発生記録に並びました。

タイトル画像をみてもわかる通り、台風28号の雲渦はすでにかなり大きく、きょう午後3時の段階で、15メートル以上の強風域はすでに直径890キロ(北側560キロ、南側330キロ)に及んでおり、大型の台風(強風域直径1000キロ)一歩手前の大きさとなっています。

今後は進路図にある通り、海水温29℃以上の暖かな海面上を西寄りに進みながら発達を続け、師走のスタートとなる12月1日(日)午後3時には、フィリピンの東海上で、中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い台風へ発達する見込みです。

なお台風28号は週末にかけて西進した後、そのままフィリピン方面へ向かう可能性が優勢な一方、北寄りに進めば、日本の南へ北上してくる可能性もあり、5日後の予報円は直径1300キロと非常に大きなものとなっています。

過去、12月に本州付近へ接近した台風は1個もなく、仮に北緯20度を超えて北上してきた場合でも、本州付近へ近づく可能性は小さいと思われますが、観測史上初めてのことが起こるのも気象です。

今後の進路に要注目です。

11月7個目の発生は?

予想天気図(気象庁発表資料に加工了承済み)
予想天気図(気象庁発表資料に加工了承済み)

あす水曜日からあさって木曜日の予想天気図をご覧ください。

台風28号が発達しながら西進する一方、台風28号を追いかけるように低圧部が一緒に西進しています。

低圧部とは周囲より気圧は低いものの、中心がはっきりしないところ。

台風の卵が熱帯低気圧ならば、熱帯低気圧の卵が低圧部とも言え、低圧部が生まれて、熱帯低気圧を経て、最終的に台風へ発達するのが一般的なストーリーだとも言えます。

台風28号を追いかけるように進む低圧部も、将来的には台風に変わる可能性は否定できないということになるでしょう。

仮にこの低圧部が今週の土曜日(11月30日)までに台風へ発達すれば、今月7個目の発生で、11月の台風発生記録(6個)を28年ぶりに更新することになります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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