Yahoo!ニュース

極めて危険な台風19号、首都圏など接近地域では最大級の警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風19号の雲(火曜日正午ウェザーマップ)

土曜日から日曜日に列島通過のおそれ

台風19号予報円(ウェザーマップ)
台風19号予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

大型で猛烈な勢力の台風19号は小笠原の南海上を北西方向へ進んでいます。

タイトル画像をみても分かる通り、台風19号に伴う雲域は北海道から九州まですっぽり包み込むほどの大きさとなっており、15メートル以上の強風域の直径は1200キロ以上にも及んでいます。

そして現時点での進路予想は首都圏にとってまさに最悪なコースと言える状況です。

このあと、木曜日頃までは今とほとんど変わらず、中心気圧915hpaの猛烈な勢力で北上し、その後やや勢力を弱めるものの、土曜日(12日)午後3時、紀伊半島の南に達した時点でも、中心気圧940hpa、最大風速45メートル、最大瞬間風速65メートルの非常に強い勢力を維持している予想です。

その後、予報円の真ん中を進むと、土曜日の夜から日曜日の朝にかけて、東海や関東地方を通過する予想です。

過去最強クラスで東海や関東を直撃するおそれも

もし予報円の真ん中を予想通りの勢力で進むと、東海地方に950hpa前後で上陸することが予想され、これは東海地方に上陸する台風としては過去最強クラスとなります。

東海地方に上陸時、中心気圧の低い台風(1951年以降)

1953年13号 愛知県知多半島   946hpa

2004年22号 静岡県伊豆半島   950hpa

2011年15号 静岡県浜松市付近  950hpa

2017年21号 静岡県掛川市付近  950hpa

1962年14号 三重県尾鷲市の北東 955hpa

1965年24号 愛知県渥美半島   955hpa

2009年18号 愛知県知多半島付近 955hpa

仮に東海地方の沿岸を通り、関東南岸へやってくれば、関東地方に上陸する台風としては、先日の台風15号と同じく、過去最強クラスになるものと思われます。

関東地方に上陸時、中心気圧の低い台風(1951年以降)

1958年21号 神奈川県三浦半島  960hPa

2002年21号 神奈川県川崎市付近 960hPa

2019年15号 千葉県千葉市付近  960hpa(速報値)

1958年22号 神奈川県三浦半島  965hPa

1981年15号 千葉県館山市付近  965hPa

現在、日本の南海上の海水温は平年より高く、台風が勢力を維持しやすい27℃以上の海域が東海や関東の沿岸すれすれの所まで広がっています

このため勢力が急に衰えるようなことは考えづらく、予想通りの勢力で東海や関東へ接近してくる可能性が高いと思われ、勢力や進路次第では、先日の台風15号の時に千葉で観測された最大瞬間風速57.5メートルというような烈風が再び首都圏で吹き荒れる心配も考えられます。

また暴風だけではなく、非公式ながら東京都心で総雨量が300ミリ以上に達するような記録的な大雨となる計算も出ており、中心の東側(右側)に入る地域を中心に、首都圏でも最大級の警戒が必要となるかもしれません。

記録的な暴風や大雨、高波、高潮などに見舞われるおそれがあります。

さらに大規模停電や断水など、再びライフラインが大きな影響を受けるおそれがありますので、非常用品(懐中電灯、非常用食料、水)の準備やハザードマップで避難場所の確認などを早めにしておくと良いでしょう。

今後も台風予報円は変わる可能性がありますので、最新の情報の取得に努めて下さい。

*上陸情報は気象庁調べ

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事