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大型で強い台風17号、全国で暴風が吹き荒れる風台風コースに

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風17号の雲の様子(ウェザーマップ)

全国各地が危険半円に入る風台風コース

台風17号予報円(ウェザーマップ)
台風17号予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風17号が沖縄付近で予想以上に発達しており、きょう午前6時の段階で、大型で強い勢力となりました。

タイトル画像を見ても、きのう(金曜日)よりきょうの方が台風の渦がしっかりしている様子がうかがえます。

きのう夕方の段階では、沖縄本島が暴風域に入るおそれは小さく、沖縄本島地方での最大瞬間風速は35メートルの予想でしたが、昨夜から予想以上に発達し、きょう未明には沖縄本島地方が暴風域に入り、明け方には渡嘉敷で47.7メートル、糸数で46.9メートル、那覇でも41.1メートルの最大瞬間風速を観測しました。

この非常に強い風に寄り、倒木や停電などの被害も発生しているようです。

台風17号は、きょう午前9時現在、中心気圧970hPa、最大瞬間風速50メートルで、引き続き、大型で強い勢力で沖縄近海を北上しています。

今後はこの勢力を保ったまま北から北東方向へ転向し、あす日曜日の夜には対馬海峡付近に達し、九州北部に最も接近する見通しです。

その後は日本海を速度を早めながら進み、あさって月曜日の夜には北海道へ接近する見込みです。なお、この頃までには温帯低気圧に変わっていると思われますが、台風と同じような暴風域を維持した状態で接近するため、全く油断は出来ません。

なお台風の性質上、進行方向の右側で特に風が強まることが多く、危険半円とも呼ばれていますが、台風17号のコース取りはこの危険半円が西日本から北日本までなめるように移動していくため、暴風による災害が特に発生しやすい風台風のコース取りとも言えます。

もちろん雨に対しても十分な警戒が必要ですが、西日本や北日本を中心に、暴風による被害、災害には特に警戒が必要だと言えそうです。

日曜日夜は西日本でピークに

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

沖縄通過後、台風17号は東シナ海を北上し、日曜日の夜には対馬海峡付近に達する予想です。この頃が九州を中心とした西日本の暴風のピークで、最大瞬間風速は九州北部の沿岸や海上で45メートルの他、西日本の広い範囲で30メートル前後に達する予想です。

また西日本は暴風以外にも、九州や四国で総雨量が500ミリ前後に達するおそれがあり、土砂災害や川の氾濫などにも厳重な警戒が必要です。

月曜日日中は東日本でピーク

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

台風17号は月曜日の日中、速度を上げながら日本海を北東進する見込みです。

台風に最も近い北陸地方では陸上でも暴風となるおそれがあり、千葉県など関東の沿岸部でも平均10メートルから15メートル程度の強風が吹き、瞬間的には20メートル以上に達するおそれがあります。

月曜日夜~火曜日明け方は北日本がピーク

風の予想(ウェザーマップ)
風の予想(ウェザーマップ)

そして月曜日の夜には温帯低気圧に変わった台風17号の位相が北海道付近に到達する予想で、東北北部や北海道で南西からの暴風が吹き荒れる心配があります。

農作物や果樹などへの大きな影響が出るおそれがあり、早めの暴風対策が必要です。

なお、今後も台風の進路や勢力、コースなどにより、予想が変わる可能性がありますので、最新情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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