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次の3連休にかけても続く大雨や台風懸念

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風や低気圧などの雲(ウェザーマップ)

千葉県の大雨は峠越す

24時間降水量(ウェザーマップ)
24時間降水量(ウェザーマップ)

房総半島沖に発生した低気圧の接近に伴い、千葉県を中心に活発な雨雲がかかり、大雨となりました。

きょう午後1時までの24時間雨量は、千葉県館山135.5ミリ、銚子130.0ミリと100ミリ以上に上った他、伊豆大島でも75.5ミリのまとまった雨となりました。台風15号で大きな被害を受けた所を中心に、再び激しい雨に見舞われました。

この大雨で、館山市と南房総市に土砂災害警戒情報が出されましたが、昼過ぎになってようやく雨雲は弱まってきており、今回の大雨は峠を越えてきました。

ところが次の3連休に向けて、大雨や台風への懸念が続くことになりそうで、千葉県を含め、なかなか安心できる状態にはなりません。

台風16号は消滅へ

台風16号予報円(ウェザーマップ)
台風16号予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

昨夜(日曜日)、グアム島近海のマリアナ諸島で台風16号が発生しました。

今後も足早に北西方向へ進み、あす火曜日には小笠原諸島へ近付きますが、この頃には衰弱し、熱帯低気圧に変わっている予想です。

しかし関東の南に停滞する前線に向かい湿った暖かな空気を送り込むため、前線の活動を活発化させる心配があります。

この前線が北上するあさって水曜日は関東や東海でまとまった雨となり、千葉県などで再び激しい雨の降る所があるかもしれません。

そして次の3連休に向けて、更に大きな懸念材料があります。

次の3連休に熱帯擾乱が近付く?

週間アンサンブル予報(気象庁発表資料に加工)
週間アンサンブル予報(気象庁発表資料に加工)

一時は台風16号になるのではないかと思われたものの、そこまで発達しなかった位相(低圧部)が、引き続き、沖縄周辺に残っています。

最新の計算ではこのあたりで再び熱帯低気圧が発生し、日本付近へ近付く計算が多くなってきました。

上図は複数の数値予報を統計的に処理し、単独の数値予報よりも確からしい予報を得ることを目的としたアンサンブル予報です。

簡単に言えば、複数の計算結果の平均場ということになりますが、そのアンサンブル予報によると、沖縄付近にある低圧部は今後再び発達傾向となり、熱帯擾乱として、次の3連休に向けて、本州付近を指向するような計算となっています。

発達が顕著となれば、新たな台風として北上してくる可能性も否定できません。

またこの熱帯擾乱からつながるように本州付近には秋雨前線が停滞しており、最悪な場合は秋雨前線に台風がからむというような典型的な荒天パターンとなるおそれもあります。

まだ不確実性はかなり高いものの、今後の予想に細心の注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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