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九州北部は線状降水帯の発生懸念も。大雨に厳重警戒。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
大雨(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

九州北部で大雨

・・・午後6時追記・・・

佐賀県内の河川で氾濫危険情報が出されました。

きょうは長崎県で立て続けに記録的短時間大雨情報が5回も出され対馬市では50年に1度の記録的な大雨となる所があるなど、九州北部で大雨となっています。

24時間の雨量も200ミリ以上となっている所があり、午後5時の段階では、長崎県や佐賀県で土砂災害の危険度分布で最も危険度が高い『極めて危険』という所も出現しています。

そしてこの雨はあす水曜日にかけて、さらに危険度が増すおそれがあり、引き続き、厳重な警戒が必要です。

秋雨前線は一段と活発化のおそれ

実況天気図と予想天気図(ウェザーマップ)
実況天気図と予想天気図(ウェザーマップ)

この雨をもたらしているのは停滞している秋雨前線です。

この秋雨前線に沿うように暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、九州北部付近で雨雲が発達しています。

そしてこの秋雨前線、あすにかけても同じような場所に停滞するどころか、前線の北側から徐々に上空の寒気が近づいてくるため、九州北部付近で一段と活動が活発化するおそれがあります。

線状降水帯が発生か?

線状降水帯発生か?(ウェザーマップ)
線状降水帯発生か?(ウェザーマップ)

今夜からあすにかけての雨雲の予想をみると、九州北部付近に東西に延びた活発な雨雲が時おり出現しており、いわゆる線状降水帯と呼ばれるような危険な雨雲の発生が懸念されます。

このような雨雲が発生し、仮に数時間停滞してしまうような場合、猛烈な雨を伴って、短時間で200ミリ以上というような集中豪雨的な降り方をすることも否定できません。

また九州北部以外の地域でもあちらこちらで活発な雨雲が発生する予想です。

24時間で400ミリ以上の計算も

24時間予想降水量(ウェザーマップ)
24時間予想降水量(ウェザーマップ)

きょう夕方に気象庁から発表された大雨に関する情報では、あす水曜日の夕方までに、いずれも多い所で、長崎県で250ミリ、佐賀県、福岡県、山口県、岐阜県で200ミリなどの雨量が予想されています。

ただコンピュータの予想では、局地的に長崎県、福岡県、山口県では300ミリ以上の計算があり、なかでも山口県では400ミリ以上という集中豪雨的な雨量が予想されている所もあります。

とにかく、今夜からあすにかけて、九州北部では大雨の危険度が非常に高く、大きな災害を伴うような記録的な大雨となってもおかしくない状態が続きます。

自治体からの避難勧告や避難指示が出た場合はもちろん、仮に出されていない場合でも危険を感じたら早めの避難を心がけて下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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