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台風11号は先島諸島に最接近中。さらに台風の卵の卵も発生中。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風11号と低圧部の雲(ウェザーマップ)

先島諸島へ最接近中。今後は中国大陸へ。

台風11号予報円(ウェザーマップ)
台風11号予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風11号が先島諸島に最も接近しています。

今のところ、この台風には暴風域がないものの、石垣島や西表島などは風速15メートル以上の強風域に入っており、風が強まっています。

これまでに与那国島で20.3メートル、波照間島で19.3メートル、石垣島で17.1メートルなどの最大瞬間風速を観測し、波浪警報も出されています。

台風はこのあと台湾南部付近から中国大陸へ上陸する見込みですが、先島諸島ではあす日曜日にかけて、最大瞬間風速30メートル、波の高さは6メートルの大しけとなりそうですから、強風や高波などに警戒が必要です。

次の気になる雲が発生中

きょう午前3時の天気図(気象庁)
きょう午前3時の天気図(気象庁)

台風11号は太平洋高気圧にブロックされるように中国大陸へ進む見通しですが、タイトル画像にもあるとおり、早くも次の気になる雲域がフィリピンの東海上でまとまりかけています。

きょう午前3時の天気図ではこの雲域付近にLというマークがあります。

これは周囲より気圧が低いものの、中心がハッキリとしない低圧部というもので、将来的には中心がまとまってくれば熱帯低気圧となりますから、熱帯低気圧の卵とも呼べるもので、いわば台風の卵の卵とも呼べる存在です。

今後、熱帯低気圧に発達するか?あるいは台風になるか?までは気象庁から公式情報は出ていませんが、夏季にフィリピンの東に出来る低圧部は多くの場合、発達する方向に向かうので、今後注意が必要です。

*午後4時追記

気象庁の予想で、上記の低圧部は日曜日午前9時に熱帯低気圧(TD)に変わる予想となりました。

熱帯擾乱は来週後半に沖縄付近へ?

天気図の予想(ECMWF)
天気図の予想(ECMWF)

参考までにヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の計算では、この低圧部に相当する熱帯擾乱(Lマーク)が来週の後半にかけて、フィリピンの東海上から沖縄近海に達する予想となっています。

まだ熱帯低気圧も発生していない段階で色々論じるのは早計ではありますが、ひょっとしたら来週の後半に台風に相当する熱帯擾乱が沖縄近海にあるかもしれないという最悪シナリオも想定した方がいいかもしれません。

また変化があれば随時発信する予定です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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