Yahoo!ニュース

大型台風10号、豊後水道から広島、山口上陸も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
迫りくる台風10号の雲(ウェザーマップ)

木曜日に西日本縦断後、日本海へ

台風10号予報円(ウェザーマップ)
台風10号予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁)

大型の台風10号が西日本の南の海上まで迫ってきました。

今後は北寄りに進み、あす木曜日に西日本を縦断する見込みです。

予報円から、もしあすの朝の内に上陸するならば、宮崎県か高知県、昼頃ならば大分県か愛媛県、仮に豊後水道をすり抜けるように北上した場合は、夕方にかけて広島県や山口県に上陸するおそれもありそうです。

これまでに宮崎県や高知県への台風の上陸は多数ありますが、その他の県は少なく、

過去に大分県は3回(1963年9号1972年9号1992年11号

愛媛県は2回(1982年19号2003年4号

広島県は2回(1966年19号1990年14号

山口県も2回 (1955年23号1978年18号)となっています。

*再上陸や通過は除く(デジタル台風より

ただどこへ上陸したとしても、西日本全体で大荒れとなることに間違いありません。

また西日本を縦断した後、金曜日には日本海を北上し、温帯低気圧に変わりながら土曜日には北海道に近付く見込みです。

大型に変わっても巨大なサイズ

今年の台風の天気図(ウェザーマップ)
今年の台風の天気図(ウェザーマップ)

きょう午前3時に超大型だった台風の大きさが大型になりました

今まで中心の南側に伴っていた1000キロ以上の強風域が狭まり、全域で半径600キロと解析されたためです。

ところがまだまだ巨大なサイズと呼べるような大きさです。

今年はすでに2個の台風(台風6号台風8号)が上陸していますが、天気図でみてもそのサイズの差は歴然。2個の台風に比べて、等圧線が本州付近を覆ってしまうほどの大きさとなっています。

一時期騒がれた超大型の台風の襲来でなくとも、広範囲に大きな影響を及ぼすのは間違いありません。

1000ミリ超え以外の所も厳重警戒

金曜日正午までの予想雨量(ウェザーマップ)
金曜日正午までの予想雨量(ウェザーマップ)

気象庁から発表された最新の情報によると、予想される雨量は、多い所で、木曜日の朝までに、東海、四国、九州南部500ミリ、近畿、九州北部400ミリなど。

さらに金曜日の朝までに、東海、四国600から800ミリ、近畿400から600ミリなどと予想されています。

コンピュータの計算上は、主に三重県、奈良県、和歌山県、徳島県、高知県の山沿いで総雨量が1000ミリ以上の所があり、最大1300ミリ以上と計算されている所もあります

この1000ミリ超えする所はもちろんですが、その他の所でも200ミリ前後の予想となっている所も多く、土砂災害や河川の氾濫などに厳重な警戒が必要です。

なお土曜日にかけて、北海道など北日本でも雨や風が強まりますので、最新の情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事