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台風13号、首都圏接近の恐れ高まる。速度が遅く、影響が長引く恐れも。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風13号の雲の様子(ウェザーマップ)

水曜日~木曜日に首都圏に接近し、北上か

台風13号予報円(ウェザーマップ)
台風13号予報円(ウェザーマップ)

台風の最新情報(気象庁発表)

強い台風13号は小笠原の南東の海上を北上しています。

今後も海水温が28℃~29℃程度の暖かな海面上を発達しながら北上し、あす月曜日に小笠原の東を通過したあと、あさって火曜日には北緯30度ラインを越え、水曜日の朝には伊豆諸島の近海まで北上してくる見込みです。

この時点での予報円の直径は480キロと比較的小さくなっており、水曜日の朝には関東の南に近づいている可能性が高くなってきました。

また中心気圧965hPa、最大瞬間風速50メートルの強い台風と予想されており、暴風域を伴った強い勢力で首都圏に接近してくる恐れがあります。

その後、予報円の真ん中を通ると、木曜日にかけて、関東付近を北上する見込みで、首都圏直撃も十分にあり得る進路予想となっています。

台風を流す上空の風が弱いために、時速10キロ~15キロのかなりゆっくりとした速度で北上する見込みで、場合によっては首都圏でも丸一日以上、長い時間にわたり、荒天が続く恐れがあります。

なお台風の中心が関東付近と予想される木曜日の予報円の直径は880キロ、三陸沖に抜ける金曜日の直径は1300キロで、まだまだかなり大きく、木曜日~金曜日の進路はまだ不確実な状況ですが、どうやら昨日予想されていた西日本へ西進するような可能性は小さくなってきました。

それは以下のような理由からです。

高気圧の壁に沿ってゆっくりと北上

太平洋高気圧と台風の関係(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と台風の関係(ウェザーマップ)

昨日の時点では、水曜日頃、北日本方面で太平洋高気圧が強まる計算があり、この影響で台風が本州付近を西進する可能性も考えられましたが、どうやら最新の計算ではこの高気圧があまり顕著になることはなく、日本の東海上に張り出す高気圧の壁に沿って、ゆっくりと北上する計算でまとまってきました。

今の予報円では首都圏付近を北上する可能性が高くなっていますが、高気圧の壁が少し東海上へ退けば、関東の東海上をやや離れて北上する可能性があり、一方で、壁が関東付近まで張り出せば、東海地方など西寄りを北上する可能性も考えられます。

いずれにしても、台風が被災地に直接大きな影響を及ぼすような西寄りに進む可能性はかなり小さくなりましたが、今後も最新の情報に注意をなさって下さい。

平成30年7月豪雨による大雨被害に対して、緊急災害支援募金(Yahoo!基金)を行っていますので、ご協力をお願いいたします。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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