高気圧の壁がなくなり、台風7号は沖縄から九州接近へ。西日本中心に土砂災害に厳重な警戒を。
梅雨明けをもたらした太平洋高気圧が弱まる
おととい(6月29日)、関東甲信地方に統計史上最も早い梅雨明けをもたらした太平洋高気圧はきょうも東日本を中心に張り出しており、各地で猛烈な暑さとなっています。
ところがこの高気圧、当面きょうあたりが勢力のピークとなりそうで、週明けにかけて、一旦日本の南に退く予想となっています。
当初、この高気圧にブロックされて、月曜日にはまっすぐ朝鮮半島へ進む予想だった台風7号ですが、北上するタイミングが遅くなったため、この高気圧の衰退と北上が重なってしまうこととなり、高気圧の壁がなくなる火曜日頃には東寄りに進路を変えて九州にかなり近づく予想に変わってきました。
九州へ接近するコース取りへ
このあたりの変化は予報円をみてもハッキリ見て取れます。
上図右側の2日前の予報円だと、日曜日の午後3時には台風7号が沖縄本島の西側を通り過ぎて、月曜日の午後3時にはすでに朝鮮半島付近に達する予想となっていました。
ところが左側の最新の予報円だと、沖縄本島の西側を通り過ぎるのが月曜日の明け方~朝にかけてとなっており、その後も速度はあまり上がらず北上するため、高気圧の壁がなくなる火曜日にはやや東寄りに進路を変えて、九州に接近する予想に変わってきました。
しかも2日前には九州に全くかかっていなかった予報円が九州北部にかかるようになっており、より高気圧が弱まり、東寄りの進路を取れば、九州にかなり接近、もしくは上陸する可能性も考えられる予報円となっています。
沖縄や九州を中心に大荒れ、厳重警戒を
月曜日にかけて、沖縄地方を北上する台風7号の活発な雨雲が火曜日には九州へもかかる予想となっています。
また九州の他、太平洋高気圧が弱まるため、非常に湿った空気が東へも氾濫し、火曜日~水曜日頃は西日本~東日本の広い範囲で大雨となる恐れがあります。
このところ1時間に100ミリ以上の雨が降ったとして、気象庁から記録的短時間大雨情報が何度か出されていますが、今度は台風本体の雨雲がやってくるため、より多くの所でこのような猛烈な雨が降る恐れがあります。
なお台風は水曜日までには日本海で温帯低気圧に変わる見込みですが、この低気圧の近付く北日本でも水曜日~木曜日頃はかなりの雨量が計算されています。
梅雨明け発表のあった関東甲信地方を含めて、今週はどこで記録的な雨が降ってもおかしくありません。
気象庁から発表される最新の大雨情報に気を付け、雨による災害には十分な警戒をお願いします。