関東甲信で史上初となる6月の梅雨明けはあるのか?
きょうも関東~九州にかけて厳しい暑さが続き、一部では猛烈な暑さとなっています。
東京都心でも30℃を超えて、4日連続の真夏日となりました。
6月に4日連続で真夏日を記録するのは13年ぶりですが、このまま6月が終わるあさって土曜日まで続けば6日連続となり、39年ぶりの記録となります。
そしてこの夏空と真夏日は来週にかけてもずっと続く見通しで、気象庁から思い切った梅雨明けの発表があるかどうか?注目されるところです。
東から張り出す太平洋高気圧
盛夏期に日本の南から強まってくることが多い太平洋高気圧ですが、時には東から強まり、九州より先に関東甲信で真夏の空が広がることがあります。
実は週末~週明けにかけて、まさにこのような状態が予想されているのです。
上図をみると、日本の東で強まっている太平洋高気圧が週末にかけて西へ張り出し、金曜日以降、関東甲信地方から日本列島を覆ってくる予想です。
濃いオレンジ色の部分は高気圧が顕著に強い部分に相当し、これはある意味、関東甲信地方から梅雨明けとなる典型的な形とも言えます。
来週は少し高気圧の勢力は落ちるものの、それでも関東甲信を中心に、東~西日本では夏空が続く見込みです。
週間予報は晴れだらけ、真夏の暑さ
気象庁が発表した週間予報では、来週にかけても東京は真夏の空と30℃以上の厳しい暑さが続く見通しで、気象庁が発表している週間予報文でも「向こう一週間は、高気圧に覆われて晴れる日が多いでしょう。」と記述されています。
これは梅雨時としては、まさに梅雨が明けた時に使われる盛夏期の文言とも言えます。
統計史上最も早い梅雨明けの発表は?
もし週末にかけての状況があと一週間でも遅ければ、間違いなく梅雨明けの発表が行われるでしょう。
しかし時期はまだ6月下旬。過去最も早い関東甲信地方の梅雨明けは2001年の7月1日。実はこの時も梅雨明けの発表が行われたのは7月11日でしたが、9月に見直された確定値で7月1日に前倒しとなりました。
また去年は7月上旬から夏空と真夏日が続きましたが、結局梅雨明けの発表があったのは7月19日。ところが確定値で大きく前倒しされ7月6日となりました。
このように季節的な現象である梅雨明けはその時点ではなかなか判断が難しく、特に平年(7月21日ころ)より大きく逸脱している場合は特に思い切れない傾向があるようです。
今後、少なくとも10日程度は夏空と真夏日が続く見込みで、気象庁が梅雨明けの発表を行っても、気象予報士の立場からすればほぼ反対の立場を取る人はいないと思いますが、発表すれば史上初めての6月中の梅雨明けとなります。
果たして気象庁はどう結論づけるのでしょうか?
ちなみに関東甲信地方で記録的に早く梅雨が明けた時の九州の梅雨明けを調べてみると、多くの年で九州の方が遅くなっています。
これは太平洋高気圧が日本の東、あるいは南東海上から張り出してきた場合は例年とは少し違い、関東甲信地方から九州に向かって梅雨が明けていくことを物語っています。