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台風14号発生、関東への影響は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

台風14号はあまり発達しない構造?

台風14号は活発な雨雲と下層渦が分離構造(気象庁HPより、加工了承済み)
台風14号は活発な雨雲と下層渦が分離構造(気象庁HPより、加工了承済み)

昨夜21時(7日)、小笠原の東海上で台風14号が発生しました。

けさ10時の雲の様子をみると、台湾付近を進んでいる台風13号はまだ円形度を保っていて、中心付近にも活発な雨雲が密集していますが、台風14号は真っ白な活発な雨雲と台風中心(赤丸)が分離しており、急激には発達しない構造を持っていることがわかります。

新たな台風も発生し、来週のお盆休み期間への影響が気になるところですが、今後の予想をみてみたいと思います。

台風14号は東へ曲がる進路か?

台風14号は小笠原から東へカーブするコース取りか?
台風14号は小笠原から東へカーブするコース取りか?

最新の台風予報円(気象庁)

台風14号は今後わずかに発達しながら、小笠原付近を北西に進み、週明け月曜日(10日)には伊豆諸島の南へゆっくりと北上してくる見込みです。ただその後はあまり北上することなく、東寄りにカーブする予想で、火曜日~水曜日(11日~12日)にかけて関東の東へ徐々に遠ざかっていく予想です。

予報円の北よりのコースを進むと関東の沿岸に近付く可能性も残っていますが、台風を押し上げる太平洋高気圧の勢力がこれまでより弱まるため、その可能性は低いと思われます。従って、台風14号が関東などの陸地に直接影響を及ぼす可能性は小さいと考えていいでしょう。

ただ、あまり勢力の強くない台風であっても、台風は台風です。週明けから数日間は、関東を中心にうねりを伴った高い波が出ますので、海のレジャーは十分な警戒が必要です。

台風13号から変わる低気圧に要注意

台風13号から変わった低気圧が大雨をもたらすおそれも
台風13号から変わった低気圧が大雨をもたらすおそれも

一方、台風13号は大型で非常に強い勢力を維持したまま昨夜からけさにかけて沖縄の八重山諸島に接近しました。特に中心が100キロ以内まで近付いた与那国島では、けさ3時過ぎに最大風速(10分の平均風速の最大)45.1メートル、最大瞬間風速64.7メートルの猛烈な風を観測しました。これは与那国島の歴代、それぞれ6位と4位に相当する記録的な風となります。現在は台湾付近を通過中で被害が心配されますが、今後は中国大陸に進み、月曜日には熱帯低気圧に弱まる予想です。

しかし、これで終わりそうにありません。その後は温帯低気圧に姿を変えて東へ進み、来週の水曜日~木曜日頃(12日~13日頃)、活発な雨雲を伴い、西日本から東日本へ進んでくるおそれがあります。

このように大陸に進んだ台風の残骸が偏西風に流されて日本付近に大雨をもたらすパターンは過去にも度々あり、今回も来週中頃は要警戒だと思われます。

全国の週間予報(気象庁発表)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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