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少子化危機!#参院選2022 は「こども選挙」・投票用紙は2枚とも #こども応援団 候補者名を

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
#女性に投票チャレンジ Instagramより

来月7月10日投票の参議院選挙ですが、「こども選挙」(若者選挙、でもある)と位置付けています。

物価高対応などが争点とされていますが、実はわが国の少子化を改善し、子ども若者にやさしい国へと進化する分水嶺となる選挙です。

この記事では、子ども若者を大切にする日本に進化すべきと考える有権者のために

1.参議院選挙の投票のポイント

2.#こども応援団 の候補者の見分け方、応援方法

をまとめます。

厚労省の予想以上に悪化する少子化危機の中で、子ども若者のために財源を確保し、子ども政策・若者政策を進める「こども応援団」の候補をひとりでも多く当選させることが、必要です。

なお、6/22の参院選公示日以降に、昨年の衆議院選挙と同様に、私が注目する候補者のリストを、与野党にとらわれない超党派の視点から公開したいと思います(現在のところ6月23日夜公開予定)。

※参考:昨年の衆議院選挙の時の注目の「こども応援団」候補者リストに関する記事

#なくそう子育て罰 #親子にやさしい推し候補者 超党派リスト公開! 子育て罰候補者は誰だ? #衆院選

1.参議院選挙の投票のポイント

―投票所では2枚投票する(1枚目・選挙区、2枚目・全国比例区)

―1枚目も2枚目も「こども応援団」の「候補者名」を書く

選挙の場合、投票所では2枚投票します。

1枚目は、自分の住んでいる地区(選挙区)

2枚目は、全国比例区

参議院選挙が面白いのは、2枚目の全国比例区に「候補者名」が書ける、ということです(衆議院選挙は政党名しか書けません)。

だからこそ、今回の参議院選挙では”2票目は候補者名”というキャンペーンが盛り上がっています。

※なお、Yahoo!オーサーの篠原修司さんの記事のとおり、”2票目に候補者名”を書いても効果は2倍にはなりません。

篠原修司「参院選で比例代表の投票用紙に候補者名を書くと2倍の効果がある」は誤り。政党名も候補者名も1票分」(2022年6月20日)

たとえば、#女性に投票チャレンジ というキャンペーンでは、1票目も2票目も「女性候補」に投票しよう、という提案を行っています。

#女性に投票チャレンジ Instagramより  https://www.instagram.com/joseini_touhyou/
#女性に投票チャレンジ Instagramより  https://www.instagram.com/joseini_touhyou/

日本の政治が子どもにやさしくないのは、子育てを経験したり、子どもにやさしい女性候補が他の先進国と比較して圧倒的に少ないため、でもあります。

私自身は、候補者の性別にとらわれず、子ども・若者に優しい「こども応援団」候補を応援しましょうという提案をしたいと思います。

2.「こども応援団」候補者の見分け方、応援方法

―政党の公約

―候補者の実績・経歴

―#こども応援団 でSNSで発信してみよう

「こども応援団」となってくれる候補者は実は多くありません。

この国で投票に行くのは高齢者とおじさん(中高年男性)という状況があるので、まず男性候補者が多いです。

そしてだからこそ高齢者や中高年男性向けの政策ばかりが充実してきたのです。

そんな日本から進化するためには、#こども応援団 の候補者に投票する有権者が1人でも多くなることが必要です。

日本で子ども・若者のための政策や子育て支援、少子化対策を充実させるために重要なのです。

では #こども応援団をどのように見分ければよいのでしょうか?

(1)政党の公約はきわめて重要です。

 これまでの選挙でもわかっているのは自民党以外は、教育・子育てを充実し、財源を確保する#こども応援団の政党であるということです。

 しかし、今回の参議院選挙でも自民党にも「こども応援団」の候補者がいます。

 自民党だろうが、公明党・立憲民主党・国民民主党や維新・共産党・れいわだろうが、与野党ともに「こども応援団」の国会議員がいてこそ、予算も政策も充実します。

 こども基本法、こども家庭庁も、与野党の「こども応援団」議員がいたからこそ、実現してきたのです。

※政党公約比較についても、6/27を目安に記事を執筆予定です。

(2)「こども応援団」の候補者は実績・経歴で見分ける 

 気になる候補者がいる場合には、HPやSNSを見てみましょう。

 「候補者名 実績」でウェブ検索をかけると、候補者の実績が表示されます。

 また保育士、教員、小児科医、子育て経験者(ママ・パパともに)などの経歴をアピールしている方も、子ども政策・若者政策に熱意のある候補者である可能性が高いです。

(3)#こども応援団 #参院選 でSNSで発信してみよう

 参議院選挙候補者は、SNSを活用しています。

 SNSのコメント等で質問をすると返信してくれる候補者もいます。

 みなさんも、この候補者はいいな、あるいはSNSで候補者に質問をして、子ども若者にやさしい候補者だと理解できたら、ぜひ応援してください。

 #こども応援団 でSNSでつぶやいていただけると、私だけでなく、子ども若者にやさしい日本にしたい多くの有権者に情報が届きます。

おわりに:選挙は「民主主義のフェス」

 選挙は、堅苦しく考えず、ちょっと不謹慎な表現かもしれませんが、「民主主義のフェス」ととらえてみると、投票に行きやすくなるかもしれません。

 自分の「推し」の政党や候補者を見つけて、応援して、選挙の結果をワクワクドキドキで待つ、そんなイベントでもあります。

 みなさんが「こども応援団」の候補者を見つけて、投票し、日本の政治が子ども若者にやさしく進化するためには、そんな楽しむ気持ちも大切にしていただくと良いなと願っています。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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