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#なくそう子育て罰 #親子にやさしい推し候補者 超党派リスト公開! 子育て罰候補者は誰だ? #衆院選

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
超党派で活動する子どもの貧困対策議連の議員(牧原秀樹氏twitter,10/1)

いよいよ10月31日の衆議院選挙投開票日まで、あと3日です。

子ども政策、子育て支援を重視して投票したい有権者のみなさん、どの候補者が良いかお悩みではないでしょうか?

子どもの貧困対策や子ども政策・教育政策を充実する活動を通じて、衆議院で確実に親子にやさしい政治活動をリードできると私が自信をもって推薦する候補者(推し候補者)のリストを公開します。

また、親子に冷たく厳しい子育て罰を加速させてきた実績がある要注意候補者記事も掲載しました。

子どもにやさしい日本にしたい有権者の投票のご参考になれば幸いです。

みなさん方も、この候補者こそが素晴らしいというご意見があれば、ぜひお教えください。

twitter,FBで #親子にやさしい推し候補者 のハッシュタグでつぶやいていただけますと幸いです。

10月30日の土曜日・13時にこの記事のリストの最終更新をします。

はじめに・なぜ親子にやさしい推し候補者リストが必要か?

子どもたちのための最前線でたたかう政治家はごく一部

親子に冷たい子育て罰大国・日本を変えるために1人でも多くの候補者を国会に!

親子にやさしい推し候補者リストがなぜ必要か、どのような候補者をリストアップしたのかを述べます。

このリストには主要政党(自民党含む)でわずか53人のリストしか掲載されていません。

全員めでたく当選したとしても、衆議院定数465人のうち11.3%にすぎません(もちろんここから増えることは期待していますが)。

子ども若者のために政治家生命をかけてたたかう議員はごく一部なのです。

この記事の最初には、超党派の子どもの貧困対策推進議員連盟(子どもの貧困議連)の議員が、コロナ禍の中で児童手当、教育の無償化の拡充などを求め、田村憲久前厚労大臣に要望書を提出してくださった時の写真を掲載しました。

私も子どもの貧困対策団体の理事として、同席させていただきました。

実はこの写真に写ったり、これ以降のリストに掲載された国会議員のみなさんは、平素から子ども若者政のために、党の主張を越え、各政党での政策理解を進めたり、法・予算案作成の際には党を越えて連携し、献身的といって良いご尽力をくださっているのです。

高齢者の投票率が高い日本で、子ども若者のための政策は、票に結び付かない場合もあるのに、です。

そして、そのような国会議員のみなさんは多くはありません。

したがって私が参加したり登壇する子どもの貧困対策や、子ども基本法(子どもの権利推進実現の包括法)、子ども食堂などの主要政党勉強会、院内集会や、オンラインイベントなどで何度もお目にかかる議員の方をリストアップすることは、残念ながら現段階ではとても簡単なのです。

このリストから、選挙の度に親子にやさしい推し候補者リストが、もっともっと増えていくことを願っています。

現役政治家ばかりではなく、新人や元職の候補者のみなさんも含め、そうした集会や研究者としての私に専門的助言を依頼されたり、子ども若者のために連携して所属政党に働きかけていただく方もいるのです。

与野党を越え、ともに子どもたち若者たちのための予算や政策、法律のために、自分自身の人生も削って真剣に取り組んできた候補者のみなさんが、衆議院選挙後に国会で活躍することが、親子に冷たく厳しい日本国を変えるために必要なのです。

1・親子にやさしい推し候補者リストはこれだ!

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2. 子育て罰候補者は誰だ?

立憲民主・共産党・国民民主党・公明党は脱・子育て罰政党、安心して投票を

あやしい自民党候補者はホームページで公約確認を!

「子どもは宝」だけで具体策なければ投票しなくて良い自民党候補者

リスト公開の前に、子育て罰候補者は、自由民主党にのみ発生するという構造を指摘しなければなりません。

すでに私が過去の記事で指摘してきたように、親子に冷たく厳しい子育て罰政党は主要政党の中では自民党だけなのです。

今回選挙でいえば、立憲民主・共産党・国民民主党・公明党は、児童手当・教育の無償化について具体先を明示しており、親子にやさしい日本をつくる脱・子育て罰政党だといえます。

いっぽうで今回のリストに掲載されていない自民党の選挙区候補者が、子どもにやさしいかどうかは、各候補者の主張する政策を用心しながら確認することをおすすめします。

とくに自民党候補者にありがちなのが、「子どもは国の宝」「子どもは日本の宝」と書くだけで具体策も実績もないことです。

子ども予算倍増、教育の無償化充実、こども庁実現など、具体政策を記載していなければ、子育て罰に加担してしまうリスクがある候補者だと、私なら判断します。

また今後、実現が期待される子ども基本法(子どもの権利の推進実現のための包括法)に自民党右派が反対しているという心配な情報もあります。

虐待・不登校・子どもの自殺が過去最悪である日本において、子ども若者のためにいまもっとも必要な法の実現を阻害する自民党政治家は、このリストに掲載することを明言しておきます

さて、子育て罰を課してきた実績があり、衆議院選挙後も引き続き注視する必要がある候補者は3名です。

いずれも自民党の要職にある方なので、子ども若者のために政策を推進した実績もありますが、過去の政治家としての意思決定をふりかえれば、いざとなれば子ども若者の権利や予算を切り捨てていくリスクが高い人々でもあります。

もちろん政治家は進化する存在でもあり、子ども基本法に反対せず、子ども予算倍増のための財源確保を真剣に推進するなど、今後の進化が確認できればリストの対象外とすることを明記しておきます。

そのような未来が一刻も早く来ることを願ってやみません。

さて子育て罰要注意候補者は現時点で3名です。

  • 安倍晋三氏
  • 菅義偉氏
  • 下村博文氏

安倍晋三氏は、消費税増税を財源に、連立与党公明党の強い要望に応えて、教育無償化を実現した総理大臣でもあります。いっぽうで後述する下村博文元文部科学大臣とともに、高校無償化に厳しい所得制限を導入しようとし、低所得者以外の子ども若者への支援はなくて良いと考えるタイプの政治家でもあります。

くわえて一斉休校を強行し、多くの保護者の職を奪い、子どもたちを置き去りにしました。責任を取ると明言しながら、給付金や休業補償金も満足に支給せず、子ども若者に謝罪もすることなく政権を降りました。

経産省出身の官邸官僚の言うなりになり、愚かな9月入学論で教育行政・学校・保護者を混乱に陥れ、オンライン授業対応や入試対応の貴重なリソースを奪った実績も忘れてはなりません。

教育再生を掲げた政治リーダーとして、その資質能力に疑問を提示せざるを得ない汚点でもあるでしょう。

安倍晋三氏については、一斉休校について、子ども若者に対し謝ることが、このリストからお名前を消す条件になります。

菅義偉前総理は、全国の高所得者の子どもたちから児童手当を削って、都市部の待機児童対策に充当するという、少子化対策に逆行する子育て罰を加速させる決定をしました。

企業が拠出金を出し渋った金額を、子育てし納税する本来大切にしなければならない高所得者層に負担させるという、子どもファーストではなく企業ファーストの政治選択をした総理でもあります。

いっぽうで、こども庁設置には意欲を示しており、私がこの記事で示した自民党の親子にやさしい候補者たちを、党内で応援し、その活動を進めやすくしてきたというあまり知られていない政治家としての一面もあります。

高所得層の児童手当の廃止は、限られた任期で実績を出さねばならない総理としての苦渋の選択だったのかもしれませんが、総理の座を降りられたいま、子ども予算倍増をし児童手当の特例給付廃止撤回をするなど良い方向への「豹変」を期待しています。

下村博文元文部科学大臣は、自民党政調会長としてふたり親困窮世帯を含む低所得子育て世帯への給付金という歴史に残る決定をされました。また、子どもの貧困対策については、子どもの貧困対策の推進に関する法律の成立や低所得層への高校無償化の拡充など、非常に熱心に取り組まれた大臣でもありました。そのご尽力は尊敬し感謝もしています。

いっぽうで、安倍政権下で高校無償化に所得制限を導入したときに、当初は夫婦合算700万円という厳しい所得基準を導入しようとしました。

児童手当についても同様に、夫婦合算年収700万円という基準を重視しておられ、野党、連立与党・公明党だけでなく、自民党内からも反論が相次いだ結果、ようやく矛を収められたという、子育て罰を加速させる意欲にも満ちた政治家でもあります。

最近ではご自身の政治信念としてウェルビーイングの重視を掲げておられますが、低所得層だけではなくすべての子ども若者のウェルビーイングの実現にまい進されることが信頼される政治家の条件になると考えます。

また下村氏について、中高生・学校関係者やその保護者が忘れられないのは、大学入学者共通テストにおいて英語民間試験・記述式試験を拙速導入しようとし、受験機会格差への対応もせず若者たちを不安に陥れたことです。

私自身は、大学入試のあり方に関する検討会議委員として、拙速な政策決定のプロセスを検証しましたが、下村博文氏の当時の意思決定のずさんさは、文部科学大臣としての行政責任、衆議院議員としての政治責任を取るべきものだと個人的には考えています。

大学入試を含め文部科学大臣時代の意思決定について説明責任を遂行し、行政責任・政治責任も何らかの形で果たされるべきだと考えます。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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