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こども家庭庁が子どもの意見を無視してどうする!? #こども大綱 #専門家のまとめ

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
こども家庭庁は校則見直しに関するこども・若者の意見を無視した(写真:イメージマート)

こども大綱が閣議決定されました。こども・若者を権利の主体として認識し、自分らしく、一人一人が思う幸福な生活ができる日本を実現しようとする重要な政府指針です。

しかし、こども・若者の権利を重視し実現するはずの、こども家庭庁が、こども大綱のために開催した公聴会で多かったはずの、校則に関するこども・若者の意見を無視したのです。

また子育て当事者の意見も無視され、こども大綱を議論していたこども家庭審議会基本政策部会でも、委員から厳しい意見が出されています。

すでに、与党内からもこども家庭庁不要論も聞こえるようになっており、こども家庭庁の存在意義が問われています。

▼わが子も発言した校則に関する意見が、こども家庭庁に無視された!こども家庭審議会の資料への記載なし

校則に関するこども・若者の意見の記載が一切ない、こども家庭庁作成資料
(特にpp.14-17の思春期に関する意見ではいじめ・不登校等に関する意見は明記されているが、校則に関する意見の記載は見当たらない。)
※わが家の中学生も、10月に行われた「こどもわかものいけんの会」に参加して、校則に関する意見が多く、自分も伝えた、こども家庭庁が文科省・学校に声を届けてくれるといいなと楽しみにしていました。
しかし11月に公表された上記リンクのこども家庭審議会資料、こども家庭審議会で承認された大綱案にも、校則の記載は一切なく、親子で悲しい思いをしました。

▼日テレも校則見直し記載を報道、こども・子育て当事者は「(意見の)反映度高くない」「本当に意見を聞く気はあったのか?」

こども大綱決定 作成過程で意見述べた・こども若者らの反応は?(日本テレビ・12月23日)
※子育て当事者の要望の強かった、年少扶養控除復活・高校生扶養控除拡充(こども減税)については、こども大綱への記載もなく、日テレの取材を受けた子育て当事者も疑問を示しています。
こども家庭審議会委員も当事者の要望・ニーズが届かないことは「信頼を損なう」「少子化対策を無効化」と審議会(基本政策部会・第10回)において批判しています。

▼不適切指導については、遺族の声は尊重されており、評価されるべき点も

▼校則見直しについては心ある国会議員の尽力で、ぎりぎりの段階でこども大綱に記載されたが・・・

こども・若者の意見を無視してどうする、こども家庭庁。

そう思われた読者の方も多いと思います。

私がなぜこの記事を発信したのか?

それは、こども家庭庁が、こども・若者の権利を、意見を、本当の意味で尊重し実現する省庁になってほしいからです。

なぜ校則に関するこども・若者の意見を、こども家庭庁は無視したのか、こども・若者に説明責任が果たされるべきです。

国会の場でも追究・原因解明や再発防止のためのルール整備や体制も整えられていくことが必要です。

こども・若者の意見や願いを裏切らないでください、こども家庭庁。

意見を無視されたわが子が悲しい思いをし、悔しがり、こども家庭庁に失望しているのを目の当たりにした母としての願いでもあります。

※記事内容は同一ですが、表示の不具合等の改善のため、一部の表記を改訂しました(12月26日)。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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