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首位の座を明け渡した吉田麻也率いるLAギャラクシー

林壮一ノンフィクションライター
Photo:LA Galaxy

 現地時間4月6日、MLS(メジャー・リーグ・サッカー)西地区で首位を走っていたLAギャラクシーが、地元のライバル、LAFCに1-2で敗れ、2位に転落した。昨シーズン、8勝14敗12分けで西地区14チーム中、13位と苦しんだLAギャラクシーだが、今季はキャプテンの吉田麻也を中心に、好調を維持している。

Photo:LA Galaxy 
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 3勝無敗3分けで、首位を走っていたギャラクシーだが、誰が今季の躍進を予想しただろうか。一昨年、リーグの覇者となり、昨シーズンもファイナルまで進出したLAFCは、西地区の優勝候補に挙げられていたが、そのお株を奪うかのような粘り強さを見せていた。そして、6日は敵地に乗り込んだ。

Photo:LA Galaxy アルゼンチン期待の若手ジュリアン・アウデ
Photo:LA Galaxy アルゼンチン期待の若手ジュリアン・アウデ

 両チームによるダービーは、毎年、かなりの盛り上がりを見せる。昨シーズン、アメリカ独立記念日に催された対戦は、カリフォルニア州パサディナのローズボウルで行われ、82,110人のファンで埋まった。この観客動員数は、MLS史上最高である。それまでの最多動員数は、2022年3月5日に行われたシャーロットFCのホーム開幕戦の74,479人で、同ゲームもギャラクシーが出場した。

 過去、両チームの対戦はギャラクシーの9勝8敗5分け。"エル・トラフィコ"と呼ばれるライバル対決の最新版は、22,000人のファンを集め、エキサイティングな展開となった。

Photo:LA Galaxy
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 まずは4分、LAFCのMFで米国代表のティモシー・ティルマンがコーナーキックを頭で落としたボールを腹で押し込んで先制。ドイツで誕生したティルマンは、フル代表から米国籍を選択。U19のカテゴリーまでは、ドイツ代表のユニフォームを纏っていた。

 すると29分にギャラクシーの23歳DF、ジュリアン・アウデが混戦のなかから左足を振り抜き同点に。ギャラクシーはこの得点までに、3本のシュートをペナルティエリア内でブロックされていた。開幕直前にギャラクシーに加入したアルゼンチン人DFは、勝負強い。今後が楽しみな選手である。

 そして30分、LAFCのガボン代表FW、デニス・ブアンガが左サイドを突破するところを、右サイドバックの山根視来がファール。ブアンガがPKを決める。

Photo:LA Galaxy PKを決めたブアンガ(黒いユニフォーム)
Photo:LA Galaxy PKを決めたブアンガ(黒いユニフォーム)

 79分にはインサイドにミートするだけでゴールを奪えた局面で、ブアンガが、ボールをふかしLAFCは追加点を奪えず。ギャラクシーも敵地で奮闘したが、そのままスコアは動かず試合終了のホイッスルが響いた。

Photo:LA Galaxy
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 試合後、ギャラクシーのグレッグ・ヴァニー監督は言った。

 「ファウルの数を見てもわかるように、レフェリーが相手にイエローカードを出さなかった。ウチには出したのにね。何度も言うが、このリーグは、きちんとファウルを取らなければ、ボールを保持したチームが負けることになってしまう。麻也はセットプレーで3~4回ファウルされている。あれ(山根のプレー)もペナルティではないだろう」

 納得のいかない表情を浮かべていたグレッグ・ヴァニーだが、昨年とは見違えるギャラクシーになった。2人の元日本代表もしっかりとレギュラーを掴んでいる。今後、どのように歩を進めるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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