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デビューから15連勝中のUSBAスーパーウエルター級王者

林壮一ノンフィクションライター
Adam J. Dewey/Salita Promotions

 ミシガン州フリント出身のサウスポー、アドリアル・ホームズ・ジュニアがデビューから15連勝を飾り、USBAスーパーウエルター級タイトルの初防衛に成功した。今回は2ラウンド1分25秒でのKO勝ちだった。

 地元の声援を受けた対戦相手のマーロン・ハリントンも、10勝(9KO)1敗と将来を期待されていたが、まったく寄せ付けなかった。

Adam J. Dewey/Salita Promotions
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 『Big Time Boxing USA』と名付けられた興行のメインイベントとなったこのカードは身長188cm、リーチ189cmのホームズが、その体型的アドバンテージを生かし、自分の距離を保つ。過去に3度スパーリングで拳を交えているとあって、両者ともに相手の出方を読んでいた。そのうえで立てた作戦も、29歳のホームズが一枚上手だった。

Adam J. Dewey/Salita Promotions
Adam J. Dewey/Salita Promotions

 ホームズがロングレンジから狙っていたのは、左のフックであった。ハリントンの顎をこれ以上ないタイミングで捉えてダウンを奪う。立ち上がった相手に対して距離を詰め、次はカウンターの右フックで更にダウンを追加。

 劣勢に立たされたデトロイト出身の31歳は遮二無二前進したが、ホームズは冷静にショートパンチを浴びせ、前のめりにハリントンを倒して試合を決めた。

Adam J. Dewey/Salita Promotions
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 まさに計画通りだったと勝者は振り返った。

 「生意気なことを言うつもりはないけれど、こういう勝ち方をするだろうと予想していた。我がチームはいかに相手のパンチを喰わないかってことに取り組んできた。すぐに上手くいくとも思っていなかったよ。嘘をつくつもりもないしね。この勝利で俺は、いつでもタイトルを戦えるような準備が大事だと再確認した。そういった状態を維持しなければ」

Adam J. Dewey/Salita Promotions
Adam J. Dewey/Salita Promotions

 ホームズは2015年12月13日に行われたリオ五輪ウエルター級代表選考会のファイナルで、涙を飲んでいる。

 あと一歩のところで夢の舞台を逃した折、彼は21歳だった。2016年8月にプロデビューし、順調に白星を重ねたが、地球上がコロナウイルスに覆われた影響で2年4カ月のブランクを余儀なくされる。それでもこのサウスポーは己の夢を捨てることなく、努力を続けた。

Adam J. Dewey/Salita Promotions
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 花を咲かせるまで、もう一歩のところまで上ってきたホームズ。次戦はさらに鮮やかな勝利を期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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