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WBCスーパーライト級タイトルマッチが4月20日に決定?!

林壮一ノンフィクションライター
(写真:REX/アフロ)

 昨年4月22日、ジャーボンテイ・デービスとの全勝対決でKO負けを喫したライアン・ガルシア。初黒星後、デリック・ジェームズにコーチを依頼して、エロール・スペンス・ジュニアのトレーニングキャンプに参加。そして、2023年12月2日に再起戦のリングに上がり、8回2分51秒でオスカル・ドゥアルテをKOした。自身の戦績を24勝(20KO)1敗としている。

Chris Esqueda/Golden Boy Promotions
Chris Esqueda/Golden Boy Promotions

 ガルシアと彼のプロモーターであるオスカー・デラホーヤとの確執がクローズアップされて久しい。ガルシアという男は、デラホーヤによって"スター"に作り上げられたことを理解していない。デービスに完敗した際には、コーナーに付いていたトレーナーにも不平を述べた。

Chris Esqueda/Golden Boy Promotions
Chris Esqueda/Golden Boy Promotions

 そのガルシアが、4月20日にWBCスーパーライト級チャンピオンのデヴィン・ヘイニーに挑戦することが決まった。先日、ヘイニーの実父であり、マネージャーとトレーナーも兼任するビルがメディアに認めた。

 31戦全勝15KOのヘイニーは、ジョージ・カンボソス・ジュニアを下してライト級の主要4団体を統一。リターンマッチにも快勝し、物議を醸したもののワシル・ロマチェンコとの防衛戦もクリアして、階級をアップ。昨年末にWBCスーパーライト級王座に就いた。

 ガルシア戦は、140パウンドでの2戦目、そして初防衛戦となる。2014年1月、ヘイニーは全米ジュニア選手権の決勝でガルシアを下している。

 昨年4月のデービス戦で、100万以上のPPVと2200万ドル以上のチケットの売り上げを記録し、インスタグラムで1030万人ものフォロワーを持つガルシアは、これ以上ない条件の相手だ。

写真:REX/アフロ

 既に両者は公の場でトラッシュトークを展開。「お前を倒してみせる!」と罵り合っている。インスタグラムのフォロワーの数が260万人のヘイニーは、人気選手を派手に倒して株を上げ、スターダムに躍り出たいところだろう。過去に8度の世界タイトルマッチをこなしてきた自負もある。

 一方のガルシアが巻いた世界のベルトはWBC暫定ライト級のみ。ゴールデンボーイプロモーションの庇護の下、絶対に勝てる相手との試合ばかりをこなしてきた。唯一の例外だったデービスに惨敗した彼は、今度こそ真価を問われる。

 さて、どんな一戦となるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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