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「20年に一人の逸材」か? 身長228cmのルーキー

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今季、ドラフト1位でNBA入りした身長228cmのビクター・ウェンバンヤマが、オールスター前日に行われる「スキルズ・チャレンジ」に出場する。2024年のスキルズ・チャレンジはKiaがスポンサーとなり、ダンク・コンテスト、3Pコンテスト等と共に宴を盛り上げる。

 スキルズ・チャレンジは仲間と共に、ドリブル、パス、シューティングのテクニックを駆使して、時間を競うルールだ。

撮影:筆者
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 ルーキーとして、"KING"レブロン・ジェームズ以来の注目を集めるウェンバンヤマは、1月4日に20歳となった。そんな彼にとって、大先輩のスーパースターが集う空間に身を置くのは得難い体験となるだろう。

撮影:筆者
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 左膝の半月板を損傷した昨シーズンのMVP選手、ジョエル・エンビードが70得点を挙げ、フランチャイズ記録を更新した1月22日、フィラデルフィアにやってきたウェンバンヤマを見ることができた。

 念入りにウォーミングアップを重ねる20歳の姿は実に瑞々しかったが、それ以上に目を奪われたのは、やはり228cmというサイズである。身体が細く、華奢な印象を受けるが、否応なしにアリーナ中の注目を集める。

撮影:筆者
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 エンビードの活躍もあり、ゲームは123-133でウェンバンヤマが属するサンアントニオ・スパーズが敗れた。この日も、3週間後の今もスパーズは西地区の最下位に沈んでいる。

 そんなチーム状況ではあるが、ルーキーの背番号1はスターティングとして着実に経験を積んでいる。

撮影:筆者
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 シクサーズの選手と競り合った大物ルーキーは何度もコートに倒れ込んだ。当たりの弱さを露呈するものの、確かなゴール感覚も持っている。この日は33得点と、両チームを通じてエンビードの次に高い得点を挙げた。

 28分21秒のプレーで19本のシュートを放ち、成功は10本。フリースローは12分の11と、努力の成果も示した。91.7パーセントの確率でフリースローを決めるあたりは、精神の充実を物語っていると言えよう。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 思えば、若きエンビードも身体が細かった。2年前のシクサーズのホームゲームで、NBA入りしたばかりのエンビードが写ったポスターが来場者全員に配られたが、今のウェンバンヤマを思い起こさせる体形である。

撮影:筆者
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 エンビードを10cmも上回る高身長のウェンバンヤマ。このまま順調に伸びれば、オールスターの常連となることは間違いない。スキルズ・チャレンジでいかなるプレーを見せ、宴から何を学ぶか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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