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2年連続のMVPに黄信号!?大黒柱のケガ

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地時間1月22日のサンアントニオ・スパーズ戦で、70得点、18リバウンド、5アシストをマークしたフィラデルフィア・セブンティシクサーズのエース、ジョエル・エンビード。

 この70得点で彼は、ウィルト・チェンバレンが1967年12月16日に達成した1試合におけるシクサーズの最多得点である68を上回った。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 エンビードは今季、キャリア最高のシーズンを送っていたが、213cm、127kgの身体を支える膝に爆弾を抱える。昨シーズン、MVPに輝いた彼だが、今季1月末までにシクサーズの46試合のうち12試合を欠場中だ。

 先シーズンの覇者、デンバー・ナゲッツと対戦した1月27日の注目ゲームも、左膝の負傷のためコートに立てなかった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 チームは29日(月)のポートランド・トレイルブレイザーズ戦で大黒柱を休ませたが、翌30(火)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦には29分48秒出場させた。

 その第4Q、残り4分4秒でウォリアーズのフォワード、ジョナサン・クミンガともつれ、更に左膝を痛めてしまう。クミンガの体重がかかった尻が、エンビードの左膝に乗った形となったのだ。背番号21はそこからゲームを離れ、戻れなかった。コートを去るエースの姿は痛々しかった。

 この日のエンビードは18本のシュートを放って成功はわずか5本。14得点7リバウンド2アシストに終わった。エンビードの1試合の得点が30得点に満たなかったのは、11月15日のボストン戦以来となる。エンビードの22試合連続30得点記録は、1月30日についにストップした。NBA史上これ以上の連続記録を達成しているのは、ウィルト・チェンバレンとジェームズ・ハーデンだけである。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 シクサーズによれば、エンビードは近く、MRI検査を受ける予定だ。ニック・ナース監督は、「今回のケガは、このところ出場を妨げていた故障とは無関係である。彼は自分が錆びていると言っていた――5日間コートに立っていなかったからだ。我々は必要なことをすべてやり続けるつもりだ」と話した。

 チームは現在、エースの身体に関する最新情報を待っており、スーパースターのビッグマンが深刻な傷を負っていないことを願っている。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 NBAの主要な賞は、少なくとも65試合に出場しなければならない。既に12試合を逃してしまったエンビードは、今後5試合に欠場するとMVPレースから敗退せざるを得ない。

 エンビードはNBAデビュー以来、1シーズンで70試合以上に出場したことがない。常にケガとの戦いを余儀なくされている。シクサーズは今後11日間で6ゲームが予定されているため、診断結果が非常に気になるところだ。オールスターも欠場か…。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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