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OBが語る大宮アルディージャ

林壮一ノンフィクションライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 2023年11月12日、大宮アルディージャはホーム最終戦で東京ヴェルディに0-2で敗れた。これでJ2の22チーム中、21位でシーズンを終えることとなった。

撮影:筆者
撮影:筆者

 2014年に中央大学を卒業して、大宮アルディージャに入団し、その後、ザスパクサツ群馬、ロアッソ熊本、ブラウブリッツ秋田でプレーし、今季から関東2部のアヴェントゥーラ川口に所属する高瀬優孝(31)。高瀬は故郷であるさいたま市にピラティススタジオBOOST(さいたま市浦和区北浦和4-5-16 3F)を開き、活動中だ。

 その高瀬に古巣について話を聞いた。

アルディージャでの練習中、家長昭博選手とボールを奪い合う高瀬  写真:高瀬氏提供 
アルディージャでの練習中、家長昭博選手とボールを奪い合う高瀬  写真:高瀬氏提供 

 「僕は昨年、一昨年と2年間、秋田の選手として大宮と対戦しました。環境もスタイルもマインドも、秋田と大宮では180度違います。その時の印象を述べれば、タフな選手が少ない。そしてその割に能力や技術が突出してる訳でもない。それが僕の見解です。

写真:西村尚己/アフロスポーツ

 2年間秋田でプレーした僕の率直な感想は、戦えるしタフ。そして意外にも技術や能力がしっかりある、ということです。失礼な話ですが、あくまで自分の見方はそうですね。

 秋田の個性的なサッカースタイルは、リーグでより多く勝ち点を取る為に選択したものであり、チーム全体で共有し体現しています。そして、大宮よりも戦えてチームの為に尽くせる素晴らしい選手達が集まっています。結果的に今年も含め、秋田のJ2での3年間は、全て大宮の順位を上回っています。これは紛れもない事実です。

写真:西村尚己/アフロスポーツ

 ということは、大宮に必要な事は2つ。個人としてもチームとしても、タフで戦える集団になること。もう1つは選手の質や能力で上回ること。

 僕が大宮に2014年15年と在籍し、J2優勝した際のアルディージャは、このどちらも備えていました。後者に関しては、ある程度の資金力が必要になってきます。家長昭博選手、ドラガン・ムルジャ選手、マテウス・カストロ選手など…こうしたレベルの選手達がタフに1年間戦い続け、1つになった結果がJ2の優勝でした。

写真:西村尚己/アフロスポーツ

 今、レベルが拮抗してるシビアなJ2リーグでは、よりタフさが求められると感じています。僕の地元であり古巣、そして現在でも交流のある選手が多数在籍しているアルディージャ。復活してほしいと心から願っています」

 J3は、愛媛の優勝とJ2昇格が決定した。昇格残り1枠を得る2位は確定していない。仮にJ2ライセンスを持たないFC大阪が3位以下となった場合、大宮のJ3降格が決まる。

 アルディージャは変われるか? 

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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