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103-84で最終戦をモノにしたヒートがNBA東地区王者に!

林壮一ノンフィクションライター
勝負強さを見せたジミー・バトラー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マイアミ・ヒートが、現地時間29日に行われた東地区ファイナル第7戦でボストン・セルティックスに103-84で勝利し、NBAファイナルへの切符を手にした。1日にデンバー・ナゲッツとの第1戦を迎える。

 苦しい戦いだった。3連勝で大手をかけながら、その後3連敗。それも第6戦ではデリック・ホワイトにブザービートを決められての敗北だった。しかし、盛り上がる敵地ボストンでプレッシャーに動じず、ライバルを振り切った。

ジェイソン・テイタムは今回の悔しさを糧にするだろう
ジェイソン・テイタムは今回の悔しさを糧にするだろう写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ボストンはその第6戦で燃え尽きた感があった。エースのジェイソン・テイタムが序盤で足首を痛め、この日は本調子とは程遠かった。SFのジェイレン・ブラウンは8つものターンオーバーを記録し、23のシュートのうち成功が8本と精彩を欠いた。そしてチーム全体の3ポイントシュート成功率も21%と、心身ともに疲労が見られた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 エリック・スポールストラ監督は話した。

 「多くの人が我がチームに共感してくれるだろう。時には、本当に望むもののために、苦しまなければならないこともある」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ヒートの顔であるジミー・バトラーは、窮地に立たされながらも自分を見失わず、3ポイントを含む28得点、7リバウンド、6アシスト、3スティール、そして喰らったターンオーバーは1と勝利に貢献した。東地区のMVPに輝いたのも頷ける。

 彼は、自信たっぷりに語った。

 「我々はイースタンカンファレンスに勝つためだけにプレーしているのではない、全体に勝つためにプレーしているのだ」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 思えば一年前の東地区ファイナルも同じカードだった。最終戦でセルティックスに屈した際、バトラーは言ったものだ。

 「一貫性を持ち続ける策を見つける。俺たちは十分に勝つ力を持っていたと思う。来年、それを証明してみせる」

 彼は正しかった。その言葉通り、ファイナル進出を果たしたのだ。

4連勝で早々とファイナル進出を果たしたナゲッツ
4連勝で早々とファイナル進出を果たしたナゲッツ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ついにファイナルが始まる。中2日で準備するヒートと、5月22日からじっくり調整してきた西の王者デンバー・ナゲッツ。どんな戦いが展開されるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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