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14勝(12KO)1敗1分けのスーパーライト級サウスポー

林壮一ノンフィクションライター
Esther Lin/SHOWTIME

 スーパーライト級のドミニカ人サウスポー、エルビス・ロドリゲスが3-0の判定勝ちで14勝目を挙げた。

 「精神も肉体も苦しんだが、それを乗り越えたことが大きい」

 そう試合を振り返ったロドリゲスは、スロースタートだった。

 対戦相手のジョセフ・アドルノは、17勝(14KO)1敗のハードヒッター。フックを得意とし、上下に打ち分ける。2回にはクリーンヒットして流れを掴んだかに見えた。4回終盤にもカウンターのフックを決め、リズムに乗った。

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 しかし5ラウンドに入ると、ロドリゲスにもエンジンがかかる。アドルノの反撃を受けながらも前進した。第7ラウンド、ロドリゲスはドンピシャの右フックを見舞い、アドルノにダメージを与える。

 ここで試合の主導権はドミニカンに。ロドリゲスは手を緩めず、アドルノからダウンを奪う。

Esther Lin/SHOWTIME
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 ロドリゲスは言った。

 「あの右フックで仕留めたと思ったが、彼は立ち上がってきた。とても勇敢な戦士であり、素晴らしいファイターだよ……7ラウンドが肝だった。アドルノはそれまで自分の距離を保っていたが、俺のペースに変わったよな」

Esther Lin/SHOWTIME
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 勢いに乗ったロドリゲスは、7ラウンドから試合終了までアドルノを圧倒。結局、94-94、95-93、97-91でロドリゲスの勝利となった。試合後、ロドリゲスはIBF新王者スブリエル・マティアスに照準を合わせると話した。

 アドルノは憤懣やるかたない表情で言った。

 「ジャッジは盲目だ! こんなジャッジでは勝てない。97-91の試合はどう見たっておかしい。7ラウンド以外、すべてのラウンドで勝ったと思う。自分はジャブを当てながら ボディを攻めた ヤツは何もできなかった」

 ロドリゲスとマティアスが本決まりになるなら、ドミニカvs.プエルトリコだ。面白いバトルとなりそうである。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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