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間もなくゴング!WBC暫定スーパーウエルター級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
Esther Lin/SHOWTIME

 20勝(13KO)無敗1分けのWBCスーパーウエルター級王者、セバスチャン・フンドラvs.21勝(15KO)2敗のブライアン・メンドーサ戦まで残すところ半日となった。間もなく、カリフォルニア州カーソンのディグニティヘルス・スポーツパークで、ゴングが鳴る。

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 前日計量をフンドラは153.3パウンド、メンドーサは153.5パウンドでパスした。

 試合2日前に行われた記者会見での両者の言葉をお伝えしよう。

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 身長197cmの暫定王者は言った。

 「素晴らしいイベントをする為に周到に準備した。メンドーサのようなタフな選手と戦えるのは最高だ。何度でもやりたいよ。

 僕は南カリフォルニアのファンの前で戦うのが好きなんだ。彼らにとって素晴らしい試合になると思う。当地のファンはとても要求が高い。見る人にとっても価値のある一戦になる筈だ。

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 メインイベンターという役割に、だんだん慣れてきたよ。今回のキャンプでは非常にリラックス出来たし、体調も万端だ。一生懸命に調整したからね。

 スーパーウエルター級統一王者のジャーメル・チャーロは言うまでもなく、今後戦いたい選手だ。でも、誰でもいい。自分の仕事は、目の前の相手を倒すことだから。

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 ここまでやって来られたのは、ハードワークの賜物であり、それがすべて報われているからさ。ファンが僕の戦いに歓声を上げているのを見ると、もっと強くならなきゃと思うよ。

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 父のフレディは、僕と妹のガブリエラのメンターでありチームリーダーなんだ。リングの中でも外でも、僕らは父の教えに従うつもりだし、それはこの競技で必要なことだ。

 我々は勝つためにここにいる。前に進む為の防衛戦だよ。僕と父は、KO勝ちしていた数年前の自分の試合を見ている。僕はもう少しアグレッシブになるべきだよね。前回は距離を取ったアウトボクシングを見せたかった。が、今回は新しい作業の成果をご覧に入れるよ。

 年を重ねて自分は強くなっている。パンチ力もアップしているので、それを披露できるのが楽しみだね。賢くなったし、パンチの当て方も分かってきたんでね」

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 対するブライアン・メンドーサも話した。

 「"超"がつくほど興奮しています。前回の試合で、私はピンチに立たされたけれど、KO勝ち出来ましたよね。誰もがその結果を見ました。フンドラ戦も同じような結果になるでしょう。

 この試合に全てを懸けています。必ず勝利してみせますよ。挫折もあったけれど、死に物狂いでやるしかないと理解したんです。メインイベントに出場し、ボクシングの旅を続けたいと思っています。これは物語の終わりではありません。きっと、爆発的な逆転劇になりますよ。

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 私はトレーナーのイスマエル・サラスのコーチを受けるために、ニューメキシコからラスベガスに引っ越したんです。自分に必要な他のトレーニング法があるように感じたから。サラスが、私を引き出してくれました。今、何もかもが美しく整理されています。

 ラスベガスに移り住んだ際、自分のボクシングを一度を壊して、ゼロからやり直しました。悪い癖を直し、うまくいっていたことを改善したりとね。レジェンドや世界チャンピオン、世界ランカー、期待の新人と常に一緒にいるから、毎日様々なことを吸収していますよ。

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 フンドラがインサイドで戦うか、距離を取るか、どちらを望んでも、準備OKです。彼の試合は全部目にしました。いつか対戦するんじゃないかなと感じていました。だから、試合のオファーが来た時にも迷いませんでしたね。我々はあらゆることを想定してトレーニングしましたし、成功を手にするために、必要なことをやり切りました」

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 ご覧のように、両者には19cmもの身長差がある。メンドーサはフンドラの懐に入れるか。サラスの授けた作戦も興味津々だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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