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3度目の防衛戦を控えた第63代日本ライト級チャンピオン

林壮一ノンフィクションライター
撮影:筆者

 2022年2月8日に日本ライト級王座に就き、2度の防衛に成功した宇津木秀(28)。現在のプロ戦績は12戦全勝10KO。タイトルマッチとなった直近の3試合は、全てKOで相手を仕留めている。

 4月26日に組まれた3度目の防衛戦の相手は、オキナワジム所属の仲里周磨(26)。17戦12勝(7KO)2敗3分で、同1位にランクされる。

撮影:筆者
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 試合のおよそ1カ月前、宇津木は語った。

 「チャンピオンになって、自分のなかでは『まだまだ強くなれる。自分を変えられる』という思いがあります。僕はスパーの最中でも、上手くいかないと考え込んだり、ムキになってしまうところがあって、そこが今の課題ですね」

撮影:筆者
撮影:筆者

 宇津木はワタナベジムに入門した頃から、同じ年のライバルで元東洋太平洋スーパーフェザー級王者、三代大訓の背を追いかけてきた。数え切れないほどのスパーリングを重ねた三代は、先日、横浜光ジムに移籍した。

 「もちろん気になる存在です。彼も頑張って上を目指すでしょうし、こちらも負けられません。

 仲里戦に向けては組み立てを意識しています。何通りものパターンを作らないといけない。井上尚弥選手なんて、まさにそうですよね。引き出しが多く、理詰めのボクシングが出来る。仮に試合中に自分のスタイルが壊れても、勝てるだけのレベルにならないと。僕は、まだまだそこまでに到達していません」

撮影:筆者
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 4月26日の挑戦者、仲里については、次のように話した。

 「パンチがあってタフな選手です。吉野修一郎さんからも、三代からも確か右ストレートでダウンを奪っています。木村吉光は左フックで倒したんじゃなかったかな。

 上への攻撃に合わせるのが得意そうなので、そこは警戒が必要ですね。心をへし折って勝ちますよ。5~6ラウンドで終わらせるつもりです」

 進化する宇津木秀に期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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