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アルゼンチン人コーチが語る「新生森保ジャパン」

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、昨季までアトレチコ・マルテ(エルサルバドル1部リーグ)に所属していたエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 2019年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、今日、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとして指揮を執る彼が、明日のウルグアイ戦、28日のコロンビア戦でリストアップされた新生森保ジャパンについて語った。

撮影:筆者
撮影:筆者

 今回のキリンチャレンジカップに選出されたサムライブルーのメンバーは以下の顔ぶれだ。

GK

シュミット・ダニエル(シント=トロイデンVV)

大迫敬介(広島)

谷晃生(G大阪)

DF

冨安健洋(アーセナル)→ケガのため町田浩樹(サンジロワーズ)が追加招集

板倉滉(ボルシアMG)

伊藤洋輝(シュツットガルト)

橋岡大樹(シント=トロイデンVV)

瀬古歩夢(グラスホッパー)

菅原由勢(AZ)

角田涼太朗(横浜FM)→ケガのため藤井陽也(名古屋)が追加招集

バングーナガンデ佳史扶(FC東京)

半田陸(G大阪)

MF/FW

遠藤航(シュツットガルト)

三笘薫(ブライトン)

伊東純也(スタッド・ランス)

浅野拓磨(ボーフム)

守田英正(スポルティング)

鎌田大地(フランクフルト)

前田大然(セルティック)

堂安律(フライブルク)

上田綺世(セルクル・ブルージュ)

田中碧(デュッセルドルフ)

中村敬斗(LASKリンツ)

久保建英(ソシエダ)

町野修斗(湘南)

西村拓真(横浜FM)

写真:つのだよしお/アフロ

 エスクデロは言った。

 「チャレンジカップですから、経験させるために呼んだメンバーですね。新しいスタートを切るという意味では、いい顔ぶれだと思います。僕は以前から、GKはシュミット・ダニエルがいい!と主張していましたから、カタールでも出てほしかったんです。まぁ、監督の好みの問題でしょうが、僕はシュミットこそ日本代表の正GKに相応しいと感じています。

 DFは、吉田麻也、酒井宏樹、長友佑都を外して若い選手を選びましたね。世代交代を印象付けます。とりあえず頑張っている人にチャンスを与え、テストする狙いが見えます。森保監督は、自分が描く代表チームに誰がフィットするかを試すんでしょう。バングーナガンデ佳史扶は良く走るし、面白い存在です。ただ、森保監督の考えるサッカーに合うかどうかですね。ケガで辞退することになった角田涼太朗は見たかったですね。

 MF/FWは、三笘と久保が軸になるでしょう。僕はこれまで、久保に関してはかなり厳しい評価をしてきましたが、所属チームで結果を出しています。"和製メッシ"なんて評されると違和感を覚えますが、少しずつ進歩してきましたね。三笘もプレミアリーグでの働きが光っています。今の日本代表に彼らは、欠かせないでしょう。

 ボランチの遠藤と守田もワールドカップでの経験を生かしてほしい。素晴らしい経験を積んだでしょうから、血となり肉となった筈です。もっともっとステップアップしてほしいですね。

 とにかく明日と28日の試合は名前の通り"チャレンジ"ですから、若い選手をピッチに立たせて、可能性を引き出してもらいたい、そう思っています。楽しみに見ますよ」

 カタールの熱狂から3カ月。森保監督はどんな指揮を執るか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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