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CBSが直近のパウンド・フォー・パウンドで最強としたのは井上尚弥

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
撮影:山口 裕朗

 井上尚弥がポール・バトラーを第11ラウンド1分9秒で下したのは、アメリカ時間の12月12日。それから3日後、CBSのブライアン・キャンベル記者がパウンド・フォー・パウンド(PfP)・ランキングを発表し、WBA/WBC/IBF/WBO統一バンタム級チャンピオンを最強とした。

撮影:山口 裕朗
撮影:山口 裕朗

 キャンベルは書いた。

 「井上はプロ6戦目で初の世界タイトルを獲得し、その2戦後には2階級制覇を達成。11戦目にして3階級目のタイトルを獲得した。PfPベストの座はスポーツメディアによって見解が分かれるが、井上が素晴らしいパフォーマンスを見せる度に、評価は上がっている。」

 キャンベルが選んだPfP2位は、WBA/WBC/IBFウエルター級チャンピオン、エロール・スペンス・ジュニア、3位がWBO同級王者であるテレンス・クロフォード、4位にWBA/WBC/IBF/WBOスーパーミドル級チャンプのカネロ・アルバレス、5位がWBA/IBF/WBOヘビー級タイトルを保持するオレクサンドル・ウシクである。

 この顔ぶれを見ると、改めて井上尚弥の存在の大きさを感じる。

撮影:山口 裕朗
撮影:山口 裕朗

 スポーツ総合チャンネルESPNも、井上が4冠統一王者となった試合直後に21名のパネラーに対しPfP投票を促した。その結果、井上尚弥は8票を獲得。現地時間22日にESPNは、9票で1位の「テレンス・クロフォードに迫っている」と報じた。

撮影:山口 裕朗
撮影:山口 裕朗

 井上を1位とした8人のうちのひとり、ESPNの記者であるマイケル・ロシュテインは選考理由を次のように述べた。

 「彼がこの1年で、最も圧倒的なファイターだったからだ。実際にビッグファイトをこなし、過去5人の対戦相手を全てノックアウトしている。勝利の過程も一貫しており、バンタム級のベストファイターを全員葬った」

 ESPNの3位はウシク、4位はスペンス、5位がカネロとなっている。

 スーパーバンタム級に転向する井上尚弥は、米国での知名度もかなり上がっている。来年は、あらゆるメディアでPfPキングの称号を手にするかもしれない。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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