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IBFスーパーミドル級挑戦者決定戦

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 32勝(27KO)4敗の元IBFスーパーミドル級チャンピオン、ホセ・ウスカテギが、生き残りをかけて同タイトルの挑戦者決定戦を迎える。相手は、13戦全勝8KOのウラジーミル・シシキン(ロシア)。

 ベネズエラ生まれで、メキシコ・ティファナ在住のウスカテギは、2018年3月にアンドレ・ディレルを8回KOで下して世界王座に就いた。が、初防衛戦でケイラブ・プラントに判定負けして王座転落。

 その後、5試合をこなして4勝1敗と世界戦線に踏み止まるも、禁止薬物の陽性反応が出るなどしてしばらく名を聞かなかった。

 だが、SHOWTIMEが12月17日に起用を決定。巡って来たチャンスに目を輝かせながら言う。

 「またリングに上がれる。しかもタイトル戦に繋がるんだから、ワクワクしているよ。素晴らしいファイトをご覧に入れてみせる。ベルト奪還の大きなチャンスだ。全てを懸けて戦うよ」

元統一ヘビー級王者のレノックス・ルイスもクロンクジムで練習した
元統一ヘビー級王者のレノックス・ルイスもクロンクジムで練習した写真:ロイター/アフロ

 シシキンは祖国を離れてミシガン州デトロイトに住み、トーマス・ハーンズが育ったクロンクジムでトレーニングに励んでいる。米国デビューは2019年8月。今回が本場での6戦目だ。

 ウスカテギと同じ31歳のシシキンも話した。

 「追い続けてきた世界チャンプになるという夢に近付いてきた感があります。最高の舞台をモノにしますよ。ウスカテギは元世界王者で強いファイターです。技術も本物ですが、100%の準備をして自分の存在を証明してみせますよ」

 年の瀬に、ボクシングファンが熱くなる好ファイトを期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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