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4度目の防衛戦を控えたWBAスーパーミドル級レギュラー王者

林壮一ノンフィクションライター
Sean Michael Ham/PBC

 WBAスーパーミドル級レギュラー王者、デビッド・モレル(24)が、11月5日に4度目の防衛戦を迎える。挑戦者は、16戦全勝11KOで同級1位のカザフスタン人ファイター、アイドス・イェルボスヌイ(30)。

 会場は、キューバから亡命したモレルが住むミネソタ州ミネアポリスとなる。

 現地時間26日に行われたオンライン会見で、7戦全勝6KOの王者は語った。 

 「イェルボスヌイは、おそらく自分の対戦者の中で最強だろう。彼は真の実力者と戦ってきた。タフな選手だと警戒しているよ。でも、自分にはファンに素晴らしいファイトを見せる義務があるんだ。

 イェルボスヌイを見くびっている訳じゃないが、危険過ぎる相手とは感じない。どんな選手との戦いだって、リスクはある。誰もが武器を持っているからね。彼は試合運びが上手く、しっかりとKOにも繋げる力がある。自分にとっても一つの挑戦だ。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 試合の開催場所については、まったく気にしていない。特にホームアドバンテージも感じない。ただ単に2人のファイターがリングに上がって拳をぶつけ合うだけさ。とはいえ、イェルボスヌイは俺のファンの多さを感じることになるだろうな。

 ボクシングにおいて、カザフスタンが素晴らしい歴史を持っていることは理解している。でも、俺の祖国であるキューバだって負けちゃいない。それを継承していきたいね。

 パンチ力って重要な要素だけれど、試合を決定付けるものだとも思わない。まぁ、パンチがある選手は戦いの幅が広がるけれどね。

(C)Hosanna Rull/iRull Fotos
(C)Hosanna Rull/iRull Fotos

 モレルは「来年5月に開催か?」と噂されるWBC同級暫定王者のデビッド・ベナビデス戦についても触れた。

 「今はデビッド・ベナビデスや他の選手のことは考えられない。目の前の試合に集中しているから。とにかく11月5日に勝たないとね。

 ただ、ベナビデスとはいつかやりたい。彼は『誰もが自分との対戦を避けている』なんて話すが、俺は是非やりたいよ」

 11月5日は無敗同士の対決。勝った方が、WBC同級暫定王者とのファイトに駒を進めそうだ。生き残るのはどちらか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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