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デビュー以来21連勝中(14KO)のヘビー級

林壮一ノンフィクションライター
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 WBCとWBOで3位、IBFで7位にランクされるキューバ人ヘビー級、フランク・サンチェス(30)が、プエルトリコの元五輪選手、カルロス・ナグロンを9回KOで下してデビュー以来21連勝を飾った。

Stephanie Trapp/TGB Promotions
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 ナグロンは北京五輪に出場後、プロに転向して25勝(20KO)2敗。35歳となり、やや勢いを失っているものの、サンチェスの試金石として悪くない相手だった。

 初回からサンチェスはKOを狙ってフルスイングを繰り返す。ディフェンスと組み立てに難があるが、その気の強さは本物だった。

 勝者は言った。

 「ナグロンはタフだった。7~9ラウンドはスタミナを考慮して足を使った。最後にKOしようと考えていたんだ。すべきことが分かっていたからこそのノックアウトだ」

Stephanie Trapp/TGB Promotions
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 サンチェスは今回のキャンプからジョー・グーセンの教えを受けている。中盤以降の攻撃力は、その効果だと語る関係者もいるが、そのパンチ力を生かし切れていない印象が強い。

 空振りが多く、オフェンスが雑なのだ。現地のジャーナリストからは「ジョセフ・ジョイス、ダニエル・デュボア、ディリアン・ホワイトあたりと戦ったら、かなり苦戦しそうだ」という声が上がっている。

Stephanie Trapp/TGB Promotions
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 「俺はハイレベル、高評価のファイターだ。世界戦の実現を希望する。最強であることを見せたい。来年、タイトルに挑戦したいね」(サンチェス)

 今回、WBCコンチネンタルアメリカとWBOのNABOタイトルを得たサンチェス。てっぺんまで上っていけるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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