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自己再生に挑む元USBAミドル級チャンピオン

林壮一ノンフィクションライター
Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 今年2月、キューバ人の名トレーナー、イスマエル・サラスが活動するラスベガスのジムを訪ねた。その折、ルイス・アリアスの練習風景を目にした。

 アリアスの戦績は、2012年のデビュー以来、19勝9KO3敗1分け。だが、2017年11月以降は5戦して1勝3敗1分けと低迷している。USBAミドル級タイトルを獲得した時期もあったが、世界戦線からは大きく後退した。

撮影:筆者
撮影:筆者

 そんなアリアスは何とか浮上しようと、自身を追い込んでいた。ここ数週間は、28日にWBAミドル級レギュラータイトルの防衛戦を控えるエリスランディ・ララ(39)のスパーリングパートナーを務めながら、自らも同じ興行に出場することとなった。メインイベントは、御承知の通りWBAライト級タイトルマッチである。

 アリアスは言う。

 「素晴らしいイベントに起用してもらい、とても幸せです。僕を信じてくれるメイウェザー・プロモーションに感謝します。2021年の初夏にラスベガスに引っ越してサラスの教えを受け、レベルの高い選手たちとのスパーリングを重ねてきました。

 この試合に向けたキャンプは、胸を張れるものです。今までに感じたことのない充実度ですよ。ジェシー・バルガスやエリスランディ・ララとの練習の成果をご覧頂きたいですね」

 Sean Michael Ham/Mayweather Promotions
Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 アリアスは2017年11月の試合に敗れた後、1年間のブランクを作った。1年ぶりのファイトでは引き分け。その後9カ月ぶりにリングに上がるも、再び黒星を喫した。更にそこから22カ月間、プロボクサーとしての活動を停止した。

撮影:筆者
撮影:筆者

 「休息の影響もありますが、今、リングで自分の若さを感じます。向上も実感できているんですよ。トニー・ハリソンには2021年からオファーを出しています。154パウンドで自分以上の選手はいません。是非ともタイトル戦に結び付けたいですね」

 Sean Michael Ham/Mayweather Promotions
Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 サラスも語った。

 「よりコンビネーションの精度を高めながら試合を構成することを課題に、トレーニングしてきました。必ず勝たせます!」

 アリアスの決意と、サラスの手腕に注目だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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