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WBC暫定スーパーウエルター級王座に就いた197センチのサウスポー

林壮一ノンフィクションライター
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 身長197センチ、リーチ203センチのサウスポー、セバスチャン・フンドラ(24)

と、WBCスーパーウエルター級1位のエリクソン・ルビン(26)による同暫定王座決定戦は、倒し倒されの展開となった。

 先手を取ったのは、フンドラ。身長で20センチ、リーチで14センチの体格的アドバンテージを生かし、2ラウンド終盤に右アッパーを顎にぶち込みダウンを奪う。

(C)Esther Lin/SHOWTIME
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 が、2017年10月14日にジャーメル・チャーロに挑んだ経験を持つ、ルビンも粘りを見せる。

 フンドラの距離を潰し、左右のフックを武器に攻め立てる。そして第7ラウンド残り30秒で、2位に膝をつかせた。フンドラにとって、プロ生活初のダウンであった。

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 両者ともに削り合い、消耗戦となる。我慢比べが続いたが、連打を浴びたルビンの状態を重く見たセコンドが、9ラウンド終了時に試合を放棄し、フンドラが勝利を掴んだ。同ラウンドは、回復を見せたフンドラが一方的にリングを支配した。

 とはいえ、この時点でのスコアは85-84、85-84、85-85で数字上はルビンがリードしていた。

(C)Esther Lin/SHOWTIME
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 試合後、勝者は言った。

 「ストップは妥当でしたね。かつてない最高のパフォーマンスを見せられたように思います。出入りを激しくしたつもりです。ルビンのハンマーのようなパンチをもらいましたが、僕のアッパーが効果的でしたよね。いい仕事が出来たと感じています。

 膝をついて、ちょっと休んだんです。これも作戦の一つですよ。いいパンチを浴びましたが、立て直しました。かなり鼻血が出ていましたし、顔も腫れていましたがルビンは非常にタフでした。

 (5月14日)のジャーメル・チャーロvs.ブライアン・カスターニョ戦で、チャーロはいいコンディションを築くでしょう。カスターニョが勝っても素晴らしい勝利です。自分が手にしたのは暫定王座。本物のタイトルを獲りたいです」

 197センチの長身は嫌でも目を引くが、スーパーウエルター級としてはかなり細い。今回は打たれ脆さを見せた。19勝13KO1分けのフンドラは今後、いかなるキャリアを歩むのか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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