21戦全勝18KOの元WBC暫定ライト級王者がトレーナーと訣別
4月9日に、1年3カ月ぶりのリングに上がる元WBC暫定ライト級王者のライアン・ガルシア(23)。先日、彼はトレーナーであるエディ・レイノソと袂を分かった。
現在ガルシアは、ジョー・グーセンのコーチを受けている。
「エディは俺に掛ける時間がほとんど無いんだよ。トレーニングキャンプがスタートして2週間が経過しても、姿を見せないんだから。こりゃあもう無理だなと感じて、他のトレーナーと契約した」
言うまでもないが、今日、レイノソは「サウル・"カネロ"・アルバレスのセコンド」として知られる。レイノソにとって最優先選手はカネロであり、ガルシアはどうしても二の次、という扱いとなる。
レイノソはカネロの他にも、元WBA/IBF/WBOヘビー級チャンピオンのアンディ・ルイス・ジュニア、同級世界ランカーだったフランク・サンチェス、現WBCフライ級王者のフリオ・セサール・マルティネス等を指導中だ。
功績を称えられるトレーナーほど、需要があるのはいつの時代も同じである。マニー・パッキャオをスーパースターに押し上げたフレディ・ローチは、ジェイムス・トニー、マイク・タイソン、オスカー・デラホーヤ、ジョニー・タピア等のトレーナーも務めた。
パックマンが米国デビューを飾った頃は、同時期にトニーともキャンプを張り、11時からトニーの練習、14時からパッキャオのトレーニング、というメニューで活動していたこともある。
が、パッキャオがスターダムを駆け上がっていくに連れ、パックマンにより大きな比重をかけることとなり、トニーは離れていった。
トーマス・ハーンズを育て上げたことで名声を得たエマニュエル・スチュワードも、元WBA/WBC/IBFヘビー級王者レノックス・ルイスを指導する傍ら、オスカー・デラホーヤやナジーム・ハメドともトレーナー契約を結んだ。しかし、長続きしなかった。スチュワードのプライオリティは、あくまでもルイスにあったからである。
ガルシアが、WBC暫定ライト級タイトルを獲得したのは2021年1月。その後に組まれた7月の試合を「メンタルヘルス」を理由にキャンセルした。それだけに、きちんと支えてくれるコーチの存在が不可欠だ。
アマチュア時代のガルシアは、15回全米王者となっている。そのなかには、グーセンがコーチした大会もあったそうだ。
4月9日まで、1カ月強。ガルシアは心身ともにベストコンディションを築けるだろうか。