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3年越しのライバル対決

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Kate Frese/HBSE

 3度の対戦と聞き思い出すのは、モハメド・アリvs.ジョー・フレージャー、イベンダー・ホリフィールドvs.リディック・ボウ、アルツロ・ガッティvs.ミッキー・ウォードである。

 レベルは違うが、ここにもそんなライバル対決があった。

Photo:Kate Frese/HBSE
Photo:Kate Frese/HBSE

 2021年9月18日、フェザー級6回戦で対峙したレジョン・チャンスとエロン・デ・ジーザスのファイトはドローに終わった。

 彼らはアマチュア時代の2018年にも拳を交えており、この時はチャンスがスプリット・ディシジョンで勝者となった。

 この程行われたプロにおける3カ月ぶりの再戦---両者にとって3度目の対戦は、クリーンヒットのチャンスと、手数のデ・ジーザスという展開となった。

 デ・ジーザスは223発のパンチを出し、22%をヒット。チャンスは182発を振るい、32%を当てた。

 互いにローブローを見舞うシーンにはブーイングが浴びせられたが、59-55、58-56、56-58の2-1で、チャンスが白星を挙げた。

Photo:Kate Frese/HBSE
Photo:Kate Frese/HBSE

 勝者は振り返った。

 「勝利の鍵は俺のジャブだね。初戦よりずっと気持ちを高めて、この試合を迎えた。2022年は、もっともっと成長してみせるよ」

 チャンスは6勝(5KO)1分け、デ・ジーザスは3勝(2KO)1敗1分けとなった。

 スプリット・ディシジョンに泣いたデ・ジーザスは不満を覚えているに違いない。4度目の対戦も無くはないように感じるのは、私だけだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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