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"KING"レブロン率いるレイカーズの今季33戦目、ホーム19戦目は惨敗

林壮一ノンフィクションライター
先発のセンターとして起用されたドワイト・ハワード(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 Tip Off時点で16勝16敗、西地区6位と苦戦が続く今季のロスアンジェルス・レイカーズ。2日前のゲームも昨季の西地区王者、フィニックス・サンズに90-106で敗れていた。

 昨シーズンのプレイオフで早々と姿を消したとはいえ、"KING"レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのケガによる終盤の欠場が響いたからこそだ----と私は思っていた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210518-00238420

KINGよ……
KINGよ……写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 だが、現地時間23日のサンアントニオ・スパーズ戦を見る限り、KINGもレイカーズも、哀しいかな勢いが半減している。

 一昨年にNBAの覇者となり、昨シーズンも2021年1月の終わりまで順調に首位を走っていた頃の姿はどこにも見られない。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210207-00221096

 西地区11位に沈むスパーズにさえ後手後手の展開で、レイカーズは並のチームとなってしまった。

 この日は、ホームであるステイプルズセンターに18997人のファンが詰めかけ、レイカーズのプレーに一喜一憂した。が、最終Qの5分を過ぎたあたりから、勝負あったと帰路につく人が多かった。チームカラーである黄色に染まったアリーナは失望に包まれていた。

 レイカーズのホームアリーナが「ステイプルズセンター」と呼ばれるのは、現地時間の2021年12月24日までである。2000年6月4日から続いた歴史に幕を下ろし、「Crypto.com(クリプトドットコム)アリーナ」という名に変わる。ネーミングの譲渡金は7億ドルと報じられている。

在りし日のコービー
在りし日のコービー写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ステイプルズセンター最終戦において、レイカーズは何としても勝利を飾りたかった筈だ。

 会場には故コービー・ブライアントを偲ぶファンが、背番号8や24のレイカーズのユニフォームを着て客席に座っていた。

 しかし……34分40秒プレーしたレブロンが36得点、35分7秒出場したラッセル・ウェストブルックが30ゴールしたものの、結局、110-138で完敗した。

故郷でプレーするラッセル・ウェストブルック
故郷でプレーするラッセル・ウェストブルック写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今シーズンが開始される前、レイカーズにはレブロンを慕うラッセル・ウェストブルック、カーメロ・アンソニー、ラジョン・ロンド、ドワイト・ハワード、トレヴァー・アリーザといったベテラン選手が集った。キャリアを武器に、対戦相手の若さを凌駕すると豪語していたが、狂ってしまった歯車は修正不可能か……。連係がまったくプラスに機能していない。

 依然と続くコロナ禍で、選手たちが健康安全プロトコルに身を置かねばならないケースも生じている。その悪影響だとしても、今日のレイカーズは見ていて苦しいものがある。

 試合後「これから俺たちはどんどん良くなるさ」とレブロンは気丈に語ったが、KINGならではの奮起を期待したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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