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WBAスーパーミドル級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
(C)Sean Michael Ham/PBC

 WBAスーパーミドル級のレギュラー王者、デビッド・モレルが現地時間18日、4回KOで挑戦者を一蹴し、防衛に成功した。

 同タイトルのスーパー王者は、ご存知サウル・"カネロ"・アルバレス。キューバ人サウスポーであるモレルも、ホームタウンのミネアポリスで己の存在をアピールしたいところであった。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 身長185センチ、リーチ2メートルのモレルに対し、挑戦者のアランテズ・フォックスは身長193センチ、リーチ203センチ。

 初回から切れのあるワンツーを放って、自らの距離で試合を進めたのはチャンピオンだった。

 とはいえ、接近戦では粗さが目立ち、強弱をつけたコンビネーションは見られない。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 「ミネソタ州で試合をすることに無上の喜びを感じる。ファンの声援がモチベーションになるからね」

 王者はそう語ったが、祖国キューバから亡命した彼を温かく迎えた隣人たちへの感謝の気持ちが強いようだ。

 空振りを繰り返しながらも、モレルはとにかく攻めまくる。29歳の挑戦者は後手に回るばかりで反撃の糸口を見出せない。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 結局、第4ラウンド1分3秒にモレルのショート左アッパーを顎に喰らったフォックスがダウン。挑戦者は起き上がったが、滅多打ちにされる様にコーナーからタオルが投入され、試合は終了した。

 モレルは6戦全勝5KO、フォックスはこれで28勝(13KO)3敗1分けとなった。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 23歳のチャンピオンは試合後に語った。

 「俺はチームの指示に耳を傾け、その通りに戦っている。特に左の使い方は、アドバイスに従った。ジムでの練習と同じように動けたよ。力まずに、距離を考えながら左を出せた。してやったりの勝利で、非常に満足している。

 スーパーミドル級の選手、全員を尊敬している。誰とでも戦うよ。俺はチャンピオンだから、挑戦を受ける義務がある。欲しい奴にチャンスを与えなきゃね」

 勢い付くモレルだが、どこまで上っていけるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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