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井上尚弥ではなくカシメロに挑戦したい? 19戦全勝12KOのWBAバンタム級2位

林壮一ノンフィクションライター
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 WBAバンタム級2位のサウスポー、ゲーリー・アントニオ・ラッセルが、2-0の判定勝ち(96-94、96-94、95-95)を収め、デビュー以来無傷の19連勝(12KO)を飾った。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ジャッジの一人がドローと採点したことについて、不満気な表情を浮かべながら「俺の勝利は明確だった筈だ。足を使って捌いたよ」と、ラッセルは語った。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ラッセルは、対戦相手のアレキサンドロ・サンティアゴ(24勝13KO3敗5分け)を「タフで荒く、それでいて攻撃的だった。もっとクロスレンジで戦えばよかったな。背の低い選手との戦い方は分かっているんだよ」と評した。

 「前回の試合で、俺はヘッドバットを何発か浴びたので、どこかで警戒する気持ちがあった。一方で自分はクリーンに戦いたかったんだ」

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 前半、ラッセルのジャブが光った。ジャブを突破口としながら、自身より10センチ背の低いサンティアゴにコンビネーションを幾度となく浴びせ、ポイントを稼いだ。

 サンティアゴは、「五分五分の試合だったと思う。ジャッジにアピールできるように、もっとプレッシャーを掛けるべきだったね。序盤、ヤツは見過ぎていて、俺の方が攻めていたから、勝ったように思うんだけどな」と言った。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 勝者は言葉を続けた。

 「もう、チャンピオンと戦ってもいい頃だろう。ジョンリル・カシメロに挑戦したい。まぁ、他の王者でもいいけれどね。『まだ早い』と言う人もいたが、俺には、タイトルを狙える力が十二分にあるさ」

 ラッセルの口から、井上尚弥の名は出なかった。将来、日本が誇るモンスターと戦うことはあるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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