咬ませ犬の牙
プエルトリカンであるキャメロン・リベラ(29)が自身20戦目として、現地時間19日にリングに上がる。目下、戦績は9勝(6KO)6敗4分け。
彼を知ったのは、2021年4月20日だった。リベラは、ロスアンジェルス、シュライン・エキスポセンターで組まれたスーパーミドル級6回戦に出場した。
身長178センチのリベラは、自分よりも10センチ背の高いビューレイ・ブロックスの懐に入るべく、前進した。
最終ラウンド、ブロックスはローブローで減点を告げられる。これによって、リベラは57-56、57-56、58-55と3-0の判定勝ちを収めた。
明確な判定だったが、ブロックス側が再戦を要求。プロモーターもFOX TVもブロックスを後押しし、4カ月後、同じ6回戦でリターンマッチが決まる。
ブロックスがリベンジに拘る一方、リベラのモチベーションは高くなかった。一度下した相手であっても、戦い方を熟知している訳ではない。
燃え切らないまま6ラウンドが過ぎ、リベラの58-56、55-59、57-57という三者三様のドローに終わった。
もし、リベラが力のあるプロモーターと契約し大事に育てられていたら、ブロックスとの第2戦は行われなかったであろう。とはいえ、6敗しているプエルトリカンが本土で優遇されることもない。言ってしまえば、咬ませ犬の臭いがした。
この選手は、今後どんなリング生活を送るのだろうか……と感じていた矢先に決まった次戦である。相手は16勝(6KO)8敗のクリストファー・ブロッカー(30)。
19日、リベラは何を見せるか? ホセ・トーレス、ヘクター・カマチョ、フェリックス・トリニダードらが見せ付けたプエルトリカンならではの飢えとハートの強さを、リングで表現してもらいたい。