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35戦全勝22KOの元WBCスーパーバンタム級王者が2年4カ月ぶりのリング

林壮一ノンフィクションライター
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 2019年7月13日に亀田和毅を下してWBCスーパーバンタム級タイトル5度目の防衛に成功したレイ・バルガス。

 しかし、それ以来リングに上がっておらず、去就が噂されることもほぼ無かったが、WBA/WBC/WBO/IBFスーパーミドル級タイトルマッチの前座でカムバックした。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 元チャンピオンの相手は21勝(12KO)4敗の同じメキシカン、レオナルド・バエズ。

 バルガスは自身初となるフェザー級でのファイトとなった。身長もリーチも、バルガスは公表178センチ。一方のバエズは身長174センチ、リーチ175センチとのことであるが、両者が向かい合うと、バルガスの体格的アドバンテージが目立った。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 両者はメキシコ人らしく下がらずに打ち合ったが、バルガスはリーチを生かしながら果敢にボディを攻める。10ラウンドで71発のボディブローを見せた。

 元世界王者だけあって、試合運びは冷静で、かつ終始自分のペースを保った。結局、100-90、100-90、99-91のスコアでバルガスが圧勝した。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 再起したバルガスは言った。

 「どうすべきなのかを、我々の陣営は理解していた。アウトボクシングをする作戦だったが、バエズの正面に立ち、多くのパンチを交換した。私は本来、技巧派で、荒々しいファイターではない。足を使い、相手のパンチを躱せる。でも今日は、打ち合って力を込めたパンチをヒットする策を選択した。これもプランの一部分だ。

 彼が距離を取った点に驚き、打ち合うことにした。2階級制覇を狙っていく。次でタイトルマッチがやれたらいい」

 バルガスのファーストネームである「REY」は、「王」という意味だ。リングで自身の名を光らせられるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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