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プロデビュー以来、13カ月間で10連勝中(6KO)のスーパーフェザー級世界ランカー

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Dave Mandel/SHOWTIME

 2020年8月28日のプロデビュー以来、ハイペースでリングに上がり続けるオタール・エタノシャン(28)。既に10戦して全勝6KOと、快進撃を見せている。1カ月に2試合こなしたことも2度ある。

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
Photo:Dave Mandel/SHOWTIME

 アジアの西側、東ヨーロッパに位置するジョージア出身のエタノシャンは、現在フロリダ州マイアミビーチに住み、全てのファイトを米国で戦ってきた。

 9月24日の対戦相手は、12勝(9KO)1敗のアレハンドロ・ゲレーロであった。

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
Photo:Dave Mandel/SHOWTIME

 エタノシャンのファイティングスタイルで、まず目を奪われるのが高度なディフェンスだ。距離を取っても、相手の懐に入っても、クリーンヒットされないだけの技術を持ち合わせている。

 ダメージを受けないからこそ、13カ月の間に10もの試合がこなせるのだと、納得できた。

 ゲレーロもけっして悪くなく、手数で上回るラウンドもあったが、パンチの的中率でもエタノシャンが上回り、79-73、78-74、78-74と3-0の判定勝ちを収めた。

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
Photo:Dave Mandel/SHOWTIME

 試合後、エタノシャンは満面の笑みを浮かべながら語った。

 「非常に嬉しい。自分にとって、SHOWTIMEで放送される初めてのファイトだったしね。自分は130パウンドで最強だと信じている。まったく傷は負っていないよ。ゲレーロもいい選手だけれど、僕は本物なんだ!」

 短期間で連勝を重ねたエタノシャンは、現在WBA9位。世界タイトル挑戦もさほど遠くない将来に実現しそうだ。非常に面白い存在である。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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