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今週末ゴング! PBCが売り出すスーパーライト級の再起戦

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Team Juarez

 10戦全勝5KOで将来を期待されていたスーパーライト級のオマー・フアレス(22)が、6月27日に初黒星を喫した。彼にとって、2度目の10回戦においてだった。

 対戦相手は、21勝(18KO)5敗のフィリピン人サウスポー、アル・リベラ。

 フアレスは、2015年のアマチュア全米大会14-15歳の部で2位、翌年行われた19歳以下の全米ユースチャンピオンシップではベスト8。

 2018年のプロ転向後は、アマチュア経験を生かし順調に歩を進めているかに見えたが、リベラにプロの厳しさを教えられた。9ラウンドにダウンを喫し、93-96、94-95、95-95と0-2の判定で敗者となった。

 そのフアレスが19日に再起戦を迎える。

Photo:Team Juarez
Photo:Team Juarez

 フアレスは言う。

 「今回のトレーニングキャンプは、ラスベガスで行った。トップレベルの選手たちとのスパーをこなしたよ。もっとコンディションを上げねばと感じていたんだ。標高の高いチャーレストン山を走り込んだ。前回とはまったく違う内容のメニューをこなし、いい仕上がりだ。素晴らしい経験になったよ。

 敗戦について、じっくりと反省した。メンタル面を見直す必要があったね。自信を失っていては、パフォーマンスにも影響が出る。タフな相手に勝利して、より大きな舞台に上がりたい」

Photo:Team Juarez
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 19日の対戦相手、ハイロ・ロペスは26勝(17KO)13敗の30歳だ。プロモーターがフアレスにEASYな相手を選んだようにしか見えない。ロペスは今年に入ってから2連敗中である。

 「ロペスは打たれ強い。強豪たちと戦ってきている。最高の状態に仕上げてくるんじゃないか。自分のペースで戦いたいね」

 フアレスは、このファイトをプロモートする Premier Boxing Championsのお眼鏡にかなっている。彼を下したアル・リベラなど見向きもせず、今回、大事に再起戦を組んだことからも、それが伝わる。

 さて、フアレスはチャンスをモノにできるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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