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パッキャオの前座で逆転KO勝ちし、デビュー以来23連勝を飾ったフィリピン人フェザー級ファイター

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 WBCフェザー級タイトル挑戦者決定戦、フリオ・セハ(28)vs.マーク・マグサヨ(26)は呆気ない幕切れとなった。

 WBCスーパーバンタム級王座に就いた経験を持つセハの戦績は、32勝(28KO)4敗1分け。一方、22戦全勝(15KO)と波に乗るマグサヨは、この日、キャリアで5度目となる米国のリングに上がった。

 第1ラウンド開始早々に左フックでダウンを奪ったマサガヨだったが、詰め切れない。対する元世界チャンプのセハはハートの強さを見せ、じわりじわりとペースを手繰り寄せていく。

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 その後も決め手を欠くマグサヨは、ずるずるとポイントを失った。第5ラウンドにはダウンを喫し、9回までの採点は5ポイント差、そして3ポイント差が2名と劣勢に立たされる。

 "運命の瞬間"が訪れるまでに、セハが繰り出したパンチは554。そのうちの29.4%である163をヒットした。マグサヨのそれは621分の158で、25.4%であった。

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 しかし、第10ラウンド45秒、マグサヨの右ストレートがクリーンヒット。崩れ落ちるセハにマグサヨがフォローの右を再度叩き込むと、元世界王者はキャンバスに横たわり、しばらく起き上がることができなかった。

 同ラウンド50秒で、マグサヨのKO勝ち。

Photo:Scott Kirkland/FOX Sports
Photo:Scott Kirkland/FOX Sports

 試合後、勝者は言った。

 「ストレートの練習を何度も何度も繰り返していた。相手はダメージを負っていたので、ストレートがカギになると思った。この結果は素直に嬉しい。彼のスタイルを考え、ノックアウト勝ちを予想していた。

 自分がダウンしたことについては、正直、驚いた。が、前々から狙っている世界タイトルマッチ実現に結び付けられるよう、集中した。次戦で世界に挑戦したい」

 サバイバルに生き残ったマグサヨ。どんなキャリアを彩っていくか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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