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50得点14リバウンドでNBAチャンピオンとなったヤニス・アデトクンボ

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マイケル・ジョーダンは1993年のNBAファイナル、対フィニックス・サンズ戦において、4試合連続で40得点以上した。

 今シーズンのファイナル第2戦で、42得点12リバウンド、第3戦では41得点13リバウンドをマークしたヤニス・アデトクンボは、「自分はマイケル・ジョーダンではない。正直、左膝が倍くらいの大きさに腫れているので不安だ。まだ、100パーセントの状態じゃない。でも、コートに立てるチャンスがあるなら戦う」と語った。

 東地区ファイナル第4戦で左膝の前十字を負傷しながらも、ケガを押しながらプレーし、第3戦以降4連勝してNBAチャンプの座をもぎ取った。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 第4戦は26得点14リバウンド、第5戦は32得点9リバウンド、そして第6戦はミルウォーキー・バックスの得点の47.6パーセントを一人で叩き出した。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 アデトクンボはサンズのエースであるデビン・ブッカーを封じる役目も十二分に果たした。最終戦のブッカーは19得点5アシスト、シュート成功は22分の8。放った7本の3ポイントはすべて外れた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ブッカーの動きを読んだアデトクンボのディフェンスは、何度もバックスを救った。

 2019年、2020年と連続でレギュラーシーズンのMVPを獲得。今シーズンは、オールスターに続き、当然のようにファイナルのMVPも手にしたアデトクンボ。

 ジョーダン、コービー・ブライアント、"KING"レブロン・ジェームズからバトンを得、時代を築く男となれる逸材である。

 Vを決めた試合でアデトクンボは苦手とするフリースローを19本打ち、17本を決めた。既にNBAを代表するスーパースターだが、まだまだ伸びしろを見せる。

 Playoffが始まる前「今季は、いつもと違う感じがする」と語っていたアデトクンボ。 2013年のドラフト15位でNBA入りした26歳のギリシア人が、どこまで上り詰めるかに期待がかかる。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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