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41得点13リバウンドで連敗を止めたヤニス・アデトクンボ

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 東地区ファイナル第4戦で左膝の前十字を負傷したミルウォーキー・バックスのエース、ヤニス・アデトクンボ。ケガを押しながらのプレーで、6日に行われたファイナル第1戦では20得点17リバウンド、8日に催された第2戦では、42得点12リバウンドの活躍を見せた。しかし、バックスは勝てなかった。

 2019年、2020年と連続でMVPを獲得し、今シーズンのオールスターでもMVPに選ばれた身長211センチのギリシア人FWは、11日の第3戦でも存在感を見せ付ける。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 0勝2敗と窮地に立たされながら、ようやく戻って来たホームアリーナで37分40秒プレーし、41得点13リバウンドをマーク。1万6637人の観客の前で23本のシュートを放ち、成功率60.9パーセントとなる14本を成功させた。アデトクンボの奮闘もあり、バックスは120-100でサンズを下した。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ファイナルまで勝ち上がったバックスにおいて、アデトクンボの技量は頭一つ分抜き出ている。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 第3戦、バックスはサンズのエースであるデビン・ブッカーを徹底的にマークし、仕事をさせなかった。14本のシュートを打ったブッカーが3本しか決められなければ、サンズにいつもの怖さはない。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210710-00247156/

 精彩を欠いたブッカーは、第2戦とはまるで別人だった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 試合後、アデトクンボは言った。

 「自分はマイケル・ジョーダンではない」。

 ジョーダンは1993年のファイナル、サンズ戦において、4試合連続で40得点以上した。

 「正直、左膝が倍くらいの大きさに腫れているので不安だ。まだ、100パーセントの状態じゃない。でも、コートに立てるチャンスがあるなら戦うさ」

 ここまで勝ち上がって来た両チームは、もちろん疲弊し、ケガ人も抱える。勝利を掴むためには戦術だけでなく、負傷者、欠場者の穴を埋めるやりくりも欠かせない。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 目下、バックスが1勝、サンズは2勝。第4戦は、中2日で行われる。どんな戦いとなるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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