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間も無くゴング! WBA暫定スーパーフェザー級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 SHOWTIMEで放送されるWBA暫定スーパーフェザー級タイトルマッチのゴングまで、残すところ半日となった。

 15戦全勝6KOの暫定王者、クリス・コルバートは最初の計量で0.6パウンドオーバー。全裸になって秤に乗っても0.2パウンド、リミットを上回り、2時間以内に超過分を落とさねばならなかった。微量ではあるが、やや慢心が見える。

 12勝(9KO)1敗の挑戦者、ツグスソグ・ニヤンバヤルは129.5パウンドと、1発でパス。それもその筈、今回は増量し、スーパーフェザー級での初試合となる。

Photo: Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions  全裸で秤に乗る暫定王者
Photo: Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions 全裸で秤に乗る暫定王者

 試合2日前に行われた記者会見で、コルバートは語った。

 「辛い練習の成果を発揮する日がようやく訪れた。この試合に向け集中して来たし、犠牲も払った。今後2年間は、とにかくボクシングに人生の全てを注ぐ。

 当日のリングは戦場になるよ。俺は闘志とともにそこへ上がる。ニヤンバヤルはファイト中、失意を感じるだろうな」

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 「マイアミでのトレーニングキャンプは充実していた。戦う準備はパーフェクトだ。俺は目の前の相手、全員をノックアウトする。ニヤンバヤル陣営が俺の価値を理解していないのであれば、思い知らせてやる。自分にとってヤツは、最強の敵って程じゃない。ニヤンバヤルに勝ち目は無いよ。俺はそれを理解している。

 ヤツは敗北から這い上がって来た。自信を持っているだろう。でも俺には通用しない。圧倒的な勝利を収めるさ。言ってみれば俺たちは日産vs.ランボルギーニくらいの差がある。もちろん、俺がランボルギーニだ。今、130パウンドの選手で俺を倒せる人間などいない。一瞬一瞬、それを証明するよ。俺がKOするのは当然だから、驚かないでくれ」

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 ツグスソグ・ニヤンバヤルも言った。

 「試合に向け、心が躍ります。スーパーフェザーに増量して初めてのファイトです。私は122パウンドでも、126パウンドでも、そして130パウンドでも戦える男です。自分のスピードとパワーを信じています。何より、自分自身を信じることが出来ます。この階級でも通用することを示したいですね。しっかりと準備しました。私たち一行は、勝つためにこの場にいるんです。

 コルバートが私を倒せるとは思えません。まぁ見ていて下さい。彼の発言などまったく気になりません。目の前に起こる一つ一つの事柄に全力で向かい、コルバートを痛めつけてやりますよ」

Photo:Esther Lin/SHOWTIME  130パウンドで初めての試合となるWBA4位の挑戦者は、もちろん1回で計量をパス
Photo:Esther Lin/SHOWTIME  130パウンドで初めての試合となるWBA4位の挑戦者は、もちろん1回で計量をパス

 「コルバートのスピードは、私が黒星を喫した相手、ゲーリー・ラッセル・ジュニアと近いように感じます。ですから対応すべく練習を重ねて来ました。

 第2の故郷であるロスアンジェルスで戦えることを嬉しく思います。ロスのファン、そして同胞であるモンゴルの人々に勝利を届けますよ」

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 チャンピオン有利は否めないが、0.2パウンド分の慢心はリングでどのような影響を及ぼすか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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