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20点差で勝利し、2勝2敗と追いついたRip City

林壮一ノンフィクションライター
第4戦ではエース、リラードを温存しながらブレイザーズが勝利した(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 西地区3位のデンバー・ナゲッツと6位のポートランド・トレイルブレイザーズの間で争われているPlayOffは、ブレイザーズが123-109で第1戦に勝利したものの、その後、ナゲッツが2連勝。

 ブレイザーズは安易に3ポイントを放ち、その確率の低さが黒星に繋がることとなった。レギュラーシーズン中もこの傾向があり、入らない3ポイントを打ち続けるブレイザーズに危ういものを感じた。

 私はテリー・ストッツ監督に、Zoom会見で3ポイントの成功率の低さを質したことがある。その折、彼は言った。

 「確率は気にしません。攻める姿勢が大事なのです」

テリー・ストッツ監督はブレイザーズの指揮官として9シーズン目である
テリー・ストッツ監督はブレイザーズの指揮官として9シーズン目である写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 第2戦での3ポイント成功は、33分の16と特に気にするほどでもなかったが、第3戦では、45分の14と脆さを見せた。強い相手との対戦になるPlayOffで、ブレイザーズの3ポイントは通用するケースが減ったように思えた。

 エースであるデイミアン・リラードが第2戦で42得点、第3戦で37得点と孤軍奮闘しても、他の選手はリラードのレベルに遠く及ばないと感じざるを得なかった。

第4戦でのリラードは31分1秒のプレーで10得点10アシスト8リバウンド
第4戦でのリラードは31分1秒のプレーで10得点10アシスト8リバウンド写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 しかし、である。

 第4戦のブレイザーズは気力もパフォーマンスも見違えるほどの充実度だった。ディフェンスを重視し、ナゲッツに走り勝った。3ポイント成功は33分の12だったが、フィールド内で84本のシュートを放ち、半分を決めるという堅実な戦い振りだった。

4本の3ポイント全てを成功させたパウエル
4本の3ポイント全てを成功させたパウエル写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 最大で33点差をつけたブレイザーズは、最終Qには若手を投入して115-95で勝ち切る余裕を見せた。3月25日からブレイザーズのユニフォームに身を包むノーマン・ パウエルも、29得点と気を吐いた。

 ホームであるポートランドのモダ・センターに駆け付けた8050名のファンは、その様に酔いしれた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ナゲッツが、今日の内容を猛省して第5戦を迎えるのは間違いない。快勝の後だがブレイザーズが好調を維持し続けるには、リラードに頼るばかりではなく、他の選手の活躍が不可欠となる。

21分43秒の出場で12得点し、自身のバースディに花を添えたアンソニー
21分43秒の出場で12得点し、自身のバースディに花を添えたアンソニー写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 個人的に期待するのは、この日が37回目の誕生日だった大ベテランのカーメロ・アンソニーだ。彼の経験が、大舞台で生きるような気がしてならない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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