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試合まで残すところ1日となった元IBFスーパーライト級王者

林壮一ノンフィクションライター
Photo: Esther Lin/SHOWTIME

 元IBFスーパーライト級王者であるセルゲイ・リピネッツ(32)が、明日、リングに上がる。対戦相手は、26戦全勝24KOのジャロン・エニス(23)。

 間もなく行われる試合を前に、16勝(12KO)1敗1分けであるリピネッツの言葉をお届けしよう。

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 「非常に素晴らしいトレーニングキャンプをこなした。私のキャリアの中で、最もハードなメニューだった。エニスの身体能力を考慮し、可能な限りのことをやった。

 エニスと対戦するからこそ、限界を超えられたように感じる。自分自身を奮い立たせたよ。エニスはリングでスイッチしたり、スタンスを変えたり、色んな戦い方をする。だから、様々なタイプのパートナーとスパーリングを重ねた」

Photo: Esther Lin/SHOWTIME
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 「トレーナーであるジョー・グーセンとの相性は抜群だ。考え方が似ている。自然な動きで相手に対応できるよう、アドバイスを受けた。私は無数の角度からパンチを振るうし、コンビネーションも放つよ。

 エニスが現在のウエルター級で最高レベルにいるからこそ、この試合にサインした。彼に勝つことを信じている。今回勝利すれば、他団体のベルトも見えてくるだろう。統一戦をやりたいね」

Photo: Esther Lin/SHOWTIME
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 「自分はどんな試合でも開始のゴングから終了まで戦い抜くことを己に課している。常に12ラウンド戦えるように調整している。もちろん、今回もそうだ。

 私は人生を懸けてボクシングをして来た。戦うことが好きだ。エニスよりも経験で優っている自負もある。準備万端だ。ゴングと同時に光明が見える筈さ」

Photo: Esther Lin/SHOWTIME
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 「エニスもプライドを懸けてくるだろう。彼がベストコンディションでリングに上がることは間違いない。火花が散るさ。至近距離での打ち合いになるように思う」

 2017年11月4日、IBFスーパーライト級王座決定戦で近藤明広に判定勝ちしてチャンピオンとなったリピネッツだが、あっさりと初防衛戦でタイトルを手放した。王座転落後、階級を上げて再起し、今回のチャンスを得た。

 ロシア人であるリピネッツが、アメリカの第一線で戦い続けたいのであれば、もう負けは許されない。

 さて、どんなファイトとなるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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